唐田えりか

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 世間を震撼させている東出昌大唐田えりかの不倫報道。CM契約解除に出演ドラマのキャストから姿を消すなど、余波がまだまだ続きそうだが、ネットでは唐田についていた“清楚系”というイメージでとある風評被害が広がっていて──。このビッグニュースを漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんとともに考える。(※以下、コメントはすべて辛酸さん)

【写真】唐田えりかが堂々とインスタにあげていた“彼氏風”な東出昌大

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──東出と杏さんが「理想の夫婦」イメージが強かったなか、妻の妊娠中をまたぐ2年半もの不倫劇に世間からすごいバッシングを受けていますが……。

「ブルネイでは不倫に対して石を投げて死亡させる“石打ち刑”が施行されたりといったこともありましたが、日本も不倫に対してそうとう厳しいですよね。ネットではまるで自分の夫の浮気相手かのように叩いているのをたびたび見かけます。芸能人は何かの身代わりかのような感じもあって怖いです。

 共演した映画『寝ても覚めても』がきっかけで招待されたカンヌ映画祭のレッドカーペットで、東出さんが唐田さんの“お尻を触っていた”という映像が何度も流されていたのも印象的でした。先日、『Mr.サンデー』を見ていたら、この件について『疑惑の13枚の写真』という特集が組まれていました。ふたりが映画の撮影の合間に浜辺でイカを焼いている一枚に対し、『これは……東出さんが唐田さんを見つめていますねぇ』と犯罪事件の現場かのように扱っていたのも印象的でしたね。そこまで見つめている感じもしなかったですし……」

女性の不倫芸能人たちの『顔立ち』をカテゴライズ!

──情報番組では「東出さんが不倫したのは〇〇えりかさん」といったような、穴埋めクイズを出題しているものもありましたね。世間の叩きようがすさまじいぶん、どうにか報道も長引かせたいのかもしれません。それほど東出さんの不倫が衝撃だったということでしょうか。

「以前、『東出と杏の“愛の巣”から激しい声から近隣中に響き渡っている』といったタイトルのネットの記事を見つけて、ちょっと期待して開いてみたのですが、読んでみると“東出さんが剣道の素振りをしているときの、ハッ! ハッ! という激しい声だった”といっただけの内容でした。当時はガッカリした記憶がありますが、いま思えば、エネルギーが有り余っていて悶々とした気持ちを、剣道の素振りで発散させていたのかもしれません。

 不倫関係のきっかけになった『寝ても覚めても』の監督も、ふたりを引き合わせしまったという責任をひとりで感じていたりするのでしょうか。そろそろどこかの媒体が監督にコメント取材に行きそうな予感がします……」

──唐田さんがフィルムカメラで東出さんを撮ったものをインスタにのせたりといった“匂わせ”行動も炎上してしまいました。

「インスタだけでなく、雑誌のインタビューで“初めて東出さんと会ったときに空間が全部真っ白になり、スローモーションで振り向くと東出さんしか見えなくなって”といいったことを語っていましたが、同じ時期に主演とヒロインというかたちで同じ雑誌に出ていたわけですから、本人に読ませるくらいの勢いだったのかもしれません。

 ほかにも親しくしている瀬戸康史さんに演技についてアドバイスをもらい元気づけられたみたいで、インタビューで《『確かに、瀬戸くんといるときはめっちゃ笑ってるじゃん』って気づいて(笑)(中略)瀬戸くんとのシーンは、普段のお互いの関係のままで居られる気がします》(『girlswalker』)とコメントしていたりと、東出さんの嫉妬を誘うかのようなコメントも残しています。メディアを使うのがうまいですね」

──ネットでは「あの東出が不倫をするんだから男はみんな不倫をする」みたいな書き込みも多く、もともとのイメージがよかっただけに、日本人男性全体が風評被害にあっているような気もします……。

「確かにそうですね。私もネットでこの件について検索してみて気づいたのは、なんだか唐田さんのような比較的、“顔が薄い”タイプの人が風評被害を受けていることでした。“清楚系ほど実は不倫体質が多い”、“ああいうタイプこそ不倫をする”みたいな意見が多かったように思われます。

『サンジャポ』に出ていたみちょぱも“清楚系マジ怖い”といったこともおっしゃっていました。ああいった派手なタイプの人がおとなしめなタイプをディスるような流れにならなければいいのですが……。なぜか不当に叩かれているような気がしてなりません」

──「清楚系」というイメージはというのは見た目によるところも大きそうですね。

「あくまで個人的にですが、比較的近年に不倫をした女性芸能人の“顔立ち”を分類してみたところ、“こいめ”が12人、“ふつう”が15人、“うすめ”が8人といった感じでした。このようにリストにしてみると、ネットで清楚(おとなしめ)系の女性全体が叩かれている今のネットの流れもイメージ先行なのかな、といったような気が。

 スクールカーストでも上位の存在だった派手系の人が不倫をしていても、交友関係が広そうということもあってか、“あの人やっていそうだよね”という印象があるのかもしれません。例えば“こいめ”でいえば、過去にプロ野球選手や議員と不倫した元女子アナのY.Mさんですとか……。逆に“うすめ”ジャンルでいうと、RIP SLYMEのメンバーと不倫が発覚したE.Sさんはネットで叩かれていました」

──(辛酸さんの表をみながら)確かに! 唐田さんもニュースで“あの清純派女優が!”みたいな扱われ方をされていますし。

「“うすめ”で“和風”な顔立ちだと清楚系に分類されがちなのかと。

 今だったら新垣結衣さんあたりが不倫をしていたら大変なことになりそうですよね。何かをしでかすとすごく叩かれる傾向にある方たちは今後、少しずつイメージと違う姿を見せていくのがいいのかもしれません。“和顔の女優が実はヘビースモーカーだった”みたいな。言葉を少しずつ乱雑にしていくのもいいかもしれません。

 そのようにして世間に“ただの清楚系じゃない”というイメージをつけることが、何か起こったときに大炎上を避ける方法なのかも」

辛酸なめ子/漫画家・コラムニスト。
東京都生まれ、埼玉県育ち。武蔵野美術大学短期大学部デザイン科グラフィックデザイン専攻卒業。近著は『大人のコミュニケーション術』(光文社新書)『おしゃ修行』(双葉社)『魂活道場』(学研)、『ヌルラン』(太田出版)など。