中国農村部の飲食店で豚肉の代わりに犬肉が提供される(画像は『TODAYonline 2019年10月22日付「China’s pork shortage puts dog and rabbit meat back on the menu in rural communities」(World Dog Alliance)』のスクリーンショット)

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中国では昨今、犬をペットとして飼う人も増えているため、犬肉を食べる人も徐々に減りつつあるようだ。しかしこの国で猛威を振るっている家畜の伝染病「アフリカ豚コレラ」の影響で、農村部の飲食店では豚肉の代わりに犬肉、またはウサギの肉を客に勧めているという。『South China Morning Post』『TODAYonline』『Farm Journal’s Pork』などが伝えている。

中国では「アフリカ豚コレラ」によって豚の殺処分が相次ぎ、すでに国内の3分の1の頭数が処分されている。中国の人達の食卓に豚肉は欠かせないほど流通量が多いものの、現在は十分に供給できず、豚肉の価格が高騰しているという。低所得者の多い農村部の飲食店では豚肉料理が値上げされ、庶民には手が出ない状態のようだ。

そんななか飲食店では、豚肉不足の穴を埋めるため犬肉やウサギの肉を仕入れ始めた。『South China Morning Post』によると、江西省万安県にある農村部のほとんどの飲食店では決まったメニューが無く、客が店のキッチンに行って野菜や肉を自分で選び料理人に調理してもらうそうだ。

しかし豚肉は今や高値であることから、店員が「肉が食べたいなら犬肉はどう?」と勧めているとのこと。さらにこの店員は「値段が高い豚肉はお客さんが注文しないんだよね」と明かしている。

かつて農村部の飲食店で提供していた犬肉が再び登場したことについて、『South China Morning Post』では「アフリカ豚コレラによる“副作用”だ」と伝えている。

また地方のスーパーマーケットでは、昨年は豚肉が1キロ当たり24元(約340円)だったのが、今は60元(約920円)以上の値がついているそうだ。そして豚肉を買い渋る客が代わりに購入するのがウサギの肉である。現在ウサギの肉はスーパーマーケットのプローモーションにより1キロ43.6元(約670円)で販売され、普段よりも14元(約215円)ほど安くなっているという。

アフリカ豚コレラによる豚肉の供給回復には数年かかると言われており、今後も地方の農村部ではウサギの肉はもちろんのこと、愛犬家にとって残念なことだが犬肉も流通していく見通しのようだ。

画像は『TODAYonline 2019年10月22日付「China’s pork shortage puts dog and rabbit meat back on the menu in rural communities」(World Dog Alliance)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 MasumiMaher)