AFX通信によると、FRB（米連邦準備制度理事会）のバーナンキ新議長は15日、米下院金融委員会で経済見通しと金融政策に関する半期ごとの報告を行った。

　　バーナンキ議長は同委員会で、FOMC（連邦公開市場委員会）経済見通しを公表、2006年の米実質GDP（国内総生産）伸び率を3.5％、コアPCE（個人消費支出）物価指数を＋2％とした。焦点の景気判断については、同議長は、「1月の生産、新規受注、新規失業保険申請件数、雇用統計、小売売上高の各データから判断して、景気拡大が継続しているものと見られる」と指摘、2005年第4四半期のGDP伸び率（速報値）が前期比＋1.1％（年率換算）と一時的に減速したものの、現状については楽観的な見方を示した。

　　金融政策については、エネルギー価格の上昇や、景気過熱のインフレリスクを指摘、「この状況では、FOMCがさらなる金融引き締めが必要となるかもしれないとした判断に、私も同意する」と述べ、追加利上げが必要となる可能性を示唆した。ただ、同議長は、これまでの金融緩和の解除局面は終了し、利上げが必然ではない新局面に入ったとの認識も示し、「これからFOMCは、インフレと経済成長の双方を考慮し、最善の判断を下していかねばならず、金融政策はデータに、より大きく依存していくことになるだろう」と述べた。

　　エコノミストは、FOMCが予想したコアPCEの2％上昇はインフレの許容範囲にあることから、3月と5月のFOMCでも、政策金利であるFF（フェデラル・ファンド）金利の誘導目標を0.25％ずつ引き上げ、現在の4.5％から5.0％にする公算が高いと見ている。【了】