すでに8%での購入に間に合わないクルマも多数

 2019年10月1日より、消費税率が現行8%から10%へと引き上げられる。税率引き上げまでおよそ1カ月となり、メディアでもこの話題が取り上げられることが多くなっているように見受けられる。

 いままでは税率引き上げ直前のタイミングで、新車を問わず極端な駆け込み需要が見られた。しかし今回は家電製品では白物家電を中心に若干の駆け込み需要が目立っているようだが、新車販売については目立った駆け込み需要は起こらずに10月1日を迎えるようである。

 新車販売現場で話を聞くと、「納期が遅れ気味の車種が多く、現時点(8月下旬)でご注文をいただいても、すでに10月以降の登録、納車となってしまいます。在庫があるなど、9月中に登録が間に合う車種はかなり限定的となっており、駆け込み需要が起きても対応できないのが現実です」というディーラーも存在した。

 ただトヨタ系を除けば、販売店在庫車販売をメインにしていたり、登録車に比べ納期が比較的早い軽自動車を積極的に販売するディーラーも多く、車種は限定的となるだろうが、まだ9月中の登録が間に合うケースも目立つようだ。ただ気になる話も聞くことができた。業界事情通氏によると「ディーラーによって消費税を10%課税にするタイミングが異なるようなのです」とのことだ。

ディーラーによって増税のタイミングが異なる!

 事情通氏は続けて「あるディーラーでは9月中に登録(ナンバープレート発給)できていれば、納車が10月にずれ込んでも8%課税としているそうです。ただ別のディーラーでは9月中に登録していても、納車が10月となると10%課税となるとのことです」と話してくれた。

 事情通氏によると、軽自動車は届け出(ナンバープレート発給)時に車庫証明が必要であっても事後申請となり、販売店在庫車の販売が大原則となっているので契約してから納車までの期間は比較的短い。

 しかも販売競争が激しいので、9月下旬ギリギリのタイミングまで積極的な販売促進活動を行い、販売台数を追いかける。そのため届け出だけ9月に行い、納車が10月となるケースが多くなりやすく、そこを考慮しているのかもしれないと語ってくれた。

「9月中ギリギリに間に合って良かった」と思っていても、実際は消費税が10%課税になるということもあるようなので、もちろんセールスマンからはその旨の説明はあるだろうが、9月に新車購入を検討しているひとは注意したほうが良いかもしれない。