CBS MarketWatchによると、7日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で、米国標準油種であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)の3月物は、米エネルギー省が8日に発表する3日までの週の週間石油在庫統計で、原油、ガソリン、溜出油（暖房油含む）の在庫が増加するとの見通しから、需給逼迫（ひっぱく）懸念が後退して売られ、一時1月3日以来の安値となる1バレル＝63.50ドルをつけた後、前日比2.02ドル安の1バレル＝63.09ドルと続落して引けた。

　　ガソリン先物は、同5.02セント安の1ガロン＝1.594ドルと続落、暖房油も、同7.1セント安の1ガロン＝1.6918ドルと続落した。天然ガスは、温暖な気候が予想されていることから、前日の取引で7％以上値を下げた後、さらに下落し、同13.7セント（1.7％）安の100万Btu＝7.858ドルと昨年5月31日以来の低水準で引けた。

　　米エネルギー省のEIA(エネルギー情報局)は同日、月間エネルギー見通しを発表し、2006年の原油価格が平均で1バレル＝65ドルと依然高水準で推移するとしたものの、2007年には同1バレル＝61ドルに価格水準が低下するとの見通しを示した。

　　IAEA理事会が先週末、イランの核開発問題を国連安全保障理事会に付託することを決議したことを受け、イランの情勢不安への懸念は依然根強い。イランの代表団は16日、ロシア首脳陣と会談し、ロシアが提案しているウラン濃縮活動の代行案について協議すると見られており、市場の関心が集まっている。また、IAEA理事会は来月6日、経済制裁を視野に入れた同問題の安保理への付託について協議を行う予定。【了】