採用・育成・組織開発・HRテックの注目サービスを取材し、特徴や活用法などを紹介する【NTTテクノクロス、ラーニングエージェンシー、キヤノンITソリューションズ、ラフール】

 生産性向上を目指すには、まず組織全体のタスクを見える化し、現状を把握することから始めるべきだ。

 NTTテクノクロスの「FlatTask」は、個人や、チーム内のタスクを見える化するサービス。社員はPCのデスクトップにタスク管理ツールを常時表示しておき、気がついた時にその場で簡単にタスクを登録できる。

 クラウドでの管理により、外出先でもスマートフォンからアクセス可能。チームプロジェクトでは依頼機能を使用し、必要なメンバーにタスクを一斉依頼することができる。

 個人とチームの両方のタスクを共有することで、仕事の不透明さをなくし、抜け漏れ防止やスムーズな業務進行が可能。また、個別で行われている実務の進捗状況が把握できるため、上司は業務の効率化や平準化の指示管理が容易となる。

 今後は、様々なツールとの連携によるタスクの一元管理や、人事評価につながる分析機能なども追加していく予定。 社員研修を実施する企業が増えているが、学んだ内容が実務に活かされず、その場限りの研修となってしまう場合が多い。

 ラーニングエージェンシーの定額制研修「Biz CAMPUS」は、研修と研修前後のサポートをパッケージ化し、学んだ成果を定着させるサービスだ。まずは自分に不足しているスキルをBiz SCORE Basic(ビジネス基礎力診断テスト)で把握。目的を醸成したうえで研修を受講し、受講後はモバイルで知識を補完できる。

 また、集合型研修がメインのため、他社との交流が適度な刺激となり、社員1人1人のマインドセットに良質な影響を生み出す。さらに、人事や管理者向けの研修も同様に開催。「人事・採用・教育の内側」という、貴重な情報交換の場としても好評。

 今後は、トレーニング型コース研修や、遠隔地へ平等に教育機会を与えるオンライン研修を強化し、企業での学びをワンストップで提供していく。 働き方改革に基づくテレワーク制度は、就業の時間や場所がリミテーションされない環境のため、実際には勤怠管理・セキュリティ・モチベーション維持などの問題が懸念される。

 キヤノンITソリューションズの「テレワークサポーター」は、顔認証技術で企業のテレワークを支援するサービス。PCに内蔵されたウェブカメラによる常時顔認証で、本人の在席・離席を自動で判断し、勤務時間に反映する。そして在席のみならず、他者からののぞき込みやなりすましも瞬時にキャッチしログ保存するため、セキュリティ対策にも貢献。

 また、勤務実績が随時登録されるため、上司はテレワーカーが今どのような業務を行なっているのか把握でき、管理も容易に行なえる。

 今後は、テレワークのみならず、顔認証を利用したウェブの研修管理に加え、API公開による他システムとの連携など、さらに利便性の高いサービスへと進化させていく予定。 社員50人以上の企業で義務化されているストレスチェックを、有効に活用できている企業は少ない。

 メンタルヘルスケア事業を展開するラフールの「ラフールサーベイ」は、ストレスチェックを含む組織課題の調査・分析・対策までをワンストップでサポートするサーベイ。受験者の性格、衛生要因、エンゲージメントなど独自の項目で、社員の現状を把握する。

 組織の精緻な状態は年1回のスタンダードサーベイで、日々の状況は所要時間約2分のアプリを使ったショートサーベイで手軽に診断できる。

 強みは豊富な蓄積データに基づく正確な分析と約50人のメンタルヘルス専門家によるフォローだ。メンタルヘルスケアに深い知見を持つ同社だからこそ、ストレスチェックを受けっぱなしにせず、個人のメンタル改善や組織改善に活かすことができる。

 今後は、利用者に合わせた項目設定や健康診断とメンタルデータの掛け合わせなども検討中。