川崎を連覇に導いた攻撃ユニット「BIG4」。なかでも光った阿部浩之の働き
川崎フロンターレが連覇を達成した。
セレッソ大阪に敗れるもサンフレッチェ広島が負け、2試合を残して優勝、最大勝点差13をひっくり返した粘り強さが際立った。
強さと魅力はリンクするが、今季は目に見えて守備力が向上し、失点は現在26点。昨年は32失点で、2試合を残しているもののチーム史上最少の失点になりそうで、これが優勝の一因であることは間違いない。
だが、川崎の魅力は、やはり攻撃力だ。
ボールを握り倒し、変幻自在、臨機応変に相手を攻め倒す「成熟した攻撃」なくして連覇はあり得なかっただろう。
特に小林悠、中村憲剛、家長昭博、阿部浩之ら“BIG4”の攻撃のユニットは昨年以上に連係の精度が高まって迫力が増し、見ていて非常に楽しかった。実際、この4人で32得点と、全体の7割近いゴール数を上げている。そのなかでいぶし銀的なプレーを見せていたのが、阿部だ。
昨シーズンの入団当初は友人がおらず、川崎のチームスタイルに馴染むことができず、怪我にも泣かされた。だが、6月の清水戦で初ゴールを挙げると徐々にチームにフィット。サイドハーフ、トップをこなし、最終的には28試合・10得点とキャリアハイの成績を残し、川崎の初優勝に貢献した。
今シーズンは、攻撃のユニットの連係が深まり、さらなる活躍が期待されたが、大久保嘉人、齋藤学ら攻撃陣が加わり、レギュラー競いが激化した。それでも阿部は、「タイトルを獲るために必要なこと」と意に介していなかった。競争相手を意識するよりも自分の昨年の結果に自信を持ち、今年はさらにいいスタートが切れると確信していたからだ。
序盤はベンチスタートもあり、チームも波に乗れなかったが、個人的に調子は悪くなかった。夏からチームが登り調子になると阿部もさらにギアが入った感があったが、それは体重が落ちる夏もしっかりとコンディションを整えていたためだ。
「コンディション維持のためには食事がめちゃ大事。特に夏場、彰吾(谷口)とか2、3キロ落ちるというけど、僕はぜんぜん落ちないです。夏でも食べるのは苦にならないし、逆に増えたりもします。お米が好きでいつもは茶碗にちょっと盛る感じですが、試合前は大盛やし、肉、魚、野菜もどれかひとつじゃなく全部摂っています」
もともと太りやすい体質なので食生活、体重と体脂肪率には気を付けていた。
特に体脂肪率はハリルホジッチ元日本代表監督から「3パーセント落とせ」と指令が出て気にしていたせいか、今シーズンは最初から11パーセントを切る状態をキープ。脂質の多いものや油っぽいものを避け、遠征先に出る鳥唐揚など揚物は採らず、お菓子も食べない。体重は昨年70キロを越えた時もあったが、今季は「一番動ける」という68、69キロをしっかりと維持していた。
「サイドの選手なんで、走ってなんぼじゃないですか。毎試合少なくとも12キロ前後は走りたいですし、スプリントも15〜20本は必要かなと。そのために持久力を含めていいコンディションが必要やし、その目安として体重と体脂肪率は気にしていました」
食事や体重などをコントロールしているだけではない。
当たり負けしないように筋力を維持しており、ガンバ大阪時代からの体幹トレーニングも継続している。今季はさらに背筋を鍛えた。走りの質や相手を抑える力に違いが出てくるからだ。
一見するとちょっと丸いような身体つきだが、実は筋肉が凝縮されており、前後左右に激しく動くために必要なエネルギーが蓄えられている。そのおかげで阿部は90分、ガス欠することなく攻守に関わり、チームに貢献することができたのだ。
セレッソ大阪に敗れるもサンフレッチェ広島が負け、2試合を残して優勝、最大勝点差13をひっくり返した粘り強さが際立った。
強さと魅力はリンクするが、今季は目に見えて守備力が向上し、失点は現在26点。昨年は32失点で、2試合を残しているもののチーム史上最少の失点になりそうで、これが優勝の一因であることは間違いない。
だが、川崎の魅力は、やはり攻撃力だ。
ボールを握り倒し、変幻自在、臨機応変に相手を攻め倒す「成熟した攻撃」なくして連覇はあり得なかっただろう。
特に小林悠、中村憲剛、家長昭博、阿部浩之ら“BIG4”の攻撃のユニットは昨年以上に連係の精度が高まって迫力が増し、見ていて非常に楽しかった。実際、この4人で32得点と、全体の7割近いゴール数を上げている。そのなかでいぶし銀的なプレーを見せていたのが、阿部だ。
昨シーズンの入団当初は友人がおらず、川崎のチームスタイルに馴染むことができず、怪我にも泣かされた。だが、6月の清水戦で初ゴールを挙げると徐々にチームにフィット。サイドハーフ、トップをこなし、最終的には28試合・10得点とキャリアハイの成績を残し、川崎の初優勝に貢献した。
今シーズンは、攻撃のユニットの連係が深まり、さらなる活躍が期待されたが、大久保嘉人、齋藤学ら攻撃陣が加わり、レギュラー競いが激化した。それでも阿部は、「タイトルを獲るために必要なこと」と意に介していなかった。競争相手を意識するよりも自分の昨年の結果に自信を持ち、今年はさらにいいスタートが切れると確信していたからだ。
序盤はベンチスタートもあり、チームも波に乗れなかったが、個人的に調子は悪くなかった。夏からチームが登り調子になると阿部もさらにギアが入った感があったが、それは体重が落ちる夏もしっかりとコンディションを整えていたためだ。
「コンディション維持のためには食事がめちゃ大事。特に夏場、彰吾(谷口)とか2、3キロ落ちるというけど、僕はぜんぜん落ちないです。夏でも食べるのは苦にならないし、逆に増えたりもします。お米が好きでいつもは茶碗にちょっと盛る感じですが、試合前は大盛やし、肉、魚、野菜もどれかひとつじゃなく全部摂っています」
もともと太りやすい体質なので食生活、体重と体脂肪率には気を付けていた。
特に体脂肪率はハリルホジッチ元日本代表監督から「3パーセント落とせ」と指令が出て気にしていたせいか、今シーズンは最初から11パーセントを切る状態をキープ。脂質の多いものや油っぽいものを避け、遠征先に出る鳥唐揚など揚物は採らず、お菓子も食べない。体重は昨年70キロを越えた時もあったが、今季は「一番動ける」という68、69キロをしっかりと維持していた。
「サイドの選手なんで、走ってなんぼじゃないですか。毎試合少なくとも12キロ前後は走りたいですし、スプリントも15〜20本は必要かなと。そのために持久力を含めていいコンディションが必要やし、その目安として体重と体脂肪率は気にしていました」
食事や体重などをコントロールしているだけではない。
当たり負けしないように筋力を維持しており、ガンバ大阪時代からの体幹トレーニングも継続している。今季はさらに背筋を鍛えた。走りの質や相手を抑える力に違いが出てくるからだ。
一見するとちょっと丸いような身体つきだが、実は筋肉が凝縮されており、前後左右に激しく動くために必要なエネルギーが蓄えられている。そのおかげで阿部は90分、ガス欠することなく攻守に関わり、チームに貢献することができたのだ。