埴輪(はにわ)は、3世紀後半から6世紀後半、古墳時代に作られた素焼きの焼き物だ。古墳上に並べ、立てられたとされている。日本各地で出土している。

そんな中、「埴輪王国」と呼ばれているのが、群馬県だ。埴輪で唯一の国宝「武装男子立像」(東京国立博物館蔵)は、太田市飯塚町から出土した。国宝・国指定重要文化財の埴輪全42件のうち19件(45%)が群馬県出土だという。

その群馬県で、「群馬HANI-1(はにわん)グランプリ」が開催されている。群馬県内で出土した100体の埴輪で人気投票を行い、NO.1を決めようというものだ。

モテモテ「リア充男子」、スポーツ系「武装男子」、おしゃれに着飾った「女子」も!


エントリーNO.24 「リア充男子」(「群馬HANI-1グランプリ」公式ページより)

「群馬HANI-1(はにわん)グランプリ」の詳細は、公式サイトに掲載されている。群馬県内で出土した人物、動物、器財、家形、円筒などの5ジャンル計100体がエントリーしている。

人気の埴輪をいくつか見てみよう。鍔(つば)付の帽子をかぶり、大刀を身につけた半身像は、「リア充男子」と名付けられている。玉村町八幡原で出土した6世紀の埴輪だ(玉村町歴史資料館蔵)。高貴なおさげ髪が特徴で、切れ長の眼が涼やかなイケメンである。いかにも「リア充」、6世紀の女子たちにモテモテだったことだろう。


エントリーNO.13 「琴弾男子」(「群馬HANI-1グランプリ」公式ページより)

方形の椅子に座った男性が、膝の上に置いた琴を弾く姿を表した埴輪は、「琴弾男子」と名付けられている。前橋市朝倉町で出土した6世紀の埴輪だ(相川考古館蔵)。琴の弦は5本で、琴頭は狭く、琴尻は広く表現されている。顔や長めの髪には朱彩が施されているという。いったいどんな音楽を奏でていたのだろうと想像させる、アーティスト系男子だ。


エントリーNO.32 「武装男子埴輪」(「群馬HANI-1グランプリ」公式ページより)

左手で大刀を持ち、右手を柄頭にそえ、今にも斬りかからんという抜刀のスタイルの「武装男子埴輪」だ。榛東村高塚古墳で出土した6世紀の埴輪だ(群馬県立歴史博物館蔵)。飾りのある冑(かぶと)をかぶり、唐草文様風の柄がデザインされたズボンのような衣を身に着けている。軽やかな身のこなしの少年のような武人だ。現代風にいえばスポーツ系男子かな。


エントリーNO.12 「女子像」(「群馬HANI-1グランプリ」公式ページより)

首飾り・腕輪・耳環を付けており、おしゃれに着飾った「女子像」。館林市の天神二子古墳で出土した6世紀後半の埴輪だ(館林市第一資料館蔵)。髪型は古墳時代の女性に共通の「つぶし島田」とのこと。顔は面長で、鼻筋が通り鼻も高く、整った顔立ちをしている。両手を腰の上に置き、胸を張る独特なポーズが魅力的だ。


「群馬HANI-1グランプリ」公式ページより

投票は9月17日まで。結果は、10月14日に藤岡市で開催される「群馬古墳フェスタ2018」で発表される。1位に選ばれた埴輪をセンターに、上位10体が歌って踊るアニメーション動画が公開される。

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