1日の試合で苦手左腕から痛烈な安打を放ったエンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

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ヒンスキー打撃コーチ「間違いなく彼は成長を続けると思う」

 今季からメジャーに活躍の舞台を移したエンゼルス大谷翔平投手は、打者として、今季ここまで56試合に出場し、9本塁打、25打点、打率.258という成績を残している。投手としては、損傷した右肘靱帯の回復に伴い、投球練習を再開。着実に復帰への道を歩み出した。

 打者・大谷といえば、対左腕を苦手とすることは広く知られている。事実、対右腕は打率.296なのに対し、対左腕は打率.170で、9本塁打は全て右投手から放ったものだ。日本時代には投手の左右を気にするタイプではなかったが、メジャー移籍後に浮上した主な課題となっている。

 大谷は左腕を攻略することができるのか。地元紙「ロサンゼルス・タイムズ」では「ショウヘイ・オオタニが直面するルーキーシーズンの戸惑い」と題した特集を展開。その中で、エンゼルスのエリック・ヒンスキー打撃コーチは「彼の才能は青天井」と太鼓判を押した。

 記事では、大谷に限らず、コーディ・ベリンジャー(ドジャース)やジョーイ・ギャロ(レンジャース)ら若手左打者が、外角に逃げていく「鋭い変化球」に苦戦していると指摘。大谷は7月31日(日本時間8月1日)に敵地レイズ戦で、5点を追う6回2死一、二塁で左腕ヤーブローの投じた外角スライダーを空振りし、三振に倒れていた。この時の様子を「コルク栓抜きのようにクルクル回りながら打席を出ていった」と表現。ヒンスキー打撃コーチによれば、大谷は「イチローのように一塁側に体を傾ける傾向がある」そうで、外角に逃げる変化球を左翼方向に打ち返せるように「ホームプレートから離れないように」アドバイスしているという。

 大谷が苦戦しているのは、ストライクゾーンの真ん中から外側あたりで変化し始め、最終的にはボールとなる変化球だ。ストライクゾーンの外に逃げる球を振ってしまうため、「1フット(約30センチ)も外れる球を追う」と指摘されている。ヒンスキー打撃コーチは「スイングのメカニックは素晴らしい」と絶賛し、攻略のポイントとして「できる限り早く、その球がストライクか否かを判断すること」とした。同時に、これは「左投手との対戦機会が増せば、慣れてくるもの」だとも言及している。

 ヒンスキー打撃コーチは、大谷のオープン戦から開幕後の成長を例とし、「間違いなく彼は成長を続けると思う。彼の才能は青天井だ」と、大谷の左腕攻略に“太鼓判”を押した。注目度は誰よりも高いが、まだメジャー移籍1年目。今後の成長を大いに期待したい。(Full-Count編集部)