エンジンを緊急点検するため、ANA国内線で欠航が拡大

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 夏のレジャーシーズンを前に、空と陸の公共交通で大規模な運休が発生している。全日本空輸(ANA)は英ロールスロイス製エンジンを緊急点検するため、国内線で欠航が拡大。歴史的な豪雨災害で寸断された東海・中国・四国の鉄道は被害の深刻さが日を追って明らかになっている。ともに事態の長期化を想定しており、最繁忙期の盆にかけて帰省や観光への影響が懸念される。

 ANAは64機保有する主力航空機「B787」のエンジンにトラブル発生の可能性が判明。点検や部品交換を実施するため、6日から羽田発着の伊丹、福岡線など一部の便で欠航を始めた。

 当初は1日当たり十数便の欠航だったが徐々に拡大。12日には、23―31日で330便を欠航すると発表。累計の影響旅客は11万人を超える。

 ANAは乗務員の勤務シフト変更や使用機材の変更、改造済みのエンジンの調達などで「全社を挙げて対応している」(ANA)。8月は欠航の縮小を見込むが、影響は尾を引きそうだ。

 羽田―伊丹便などは8月9―19日搭乗の予約を制限し、新幹線など代替交通機関を案内し始めた。最繁忙期であり、他社便の座席にも余裕はなく、混雑が見込まれる。

 一方、豪雨による鉄道施設被災の状況は深刻だ。復旧まで1カ月―1年かかるような被害が複数箇所に発生している。

 山陽線は、ほぼ並行して山陽新幹線があり、広域の旅客流動への影響は限定的。しかし名古屋・富山から高山方面への高山線、岡山から山陰への伯備線、瀬戸大橋経由で松山方面への予讃線では、特急を運転できない状況がしばらく続く。高山は訪日外国人観光客からの人気が高い観光地で、空港が近くにないため、個人客の多くが鉄道を利用して現地に入る。

 山陰では1日から、JRグループと県の共同観光キャンペーン「デスティネーションキャンペーン(DC)」が始まったばかり。9月までの期間中、全国から送客があり、多くのイベントも計画している。メーンルートの伯備線が断たれており、代替輸送確保と、他の輸送路への誘導が急がれる。
(文=小林広幸)