セクハラ認定されるLINEスタンプの条件
■ウサギとクマが「ハグ」しているスタンプはNG
手軽にコミュニケーションできることからか、SNSに端を発するセクハラ被害が増えています。なかには本人にその気がなくても「セクハラだ」と訴えられてしまうケースも少なくない。でっち上げにあわないためにも、セクハラ被害のトレンドを紹介しましょう。
最も注意したいのが、LINEのスタンプ。
たとえば同僚の女性とLINEのやりとりを交わしていて、ハートマークのついたスタンプが送られてくるとしましょう。それにどう対応するか。NGなのは、恋愛感情を少しでも匂わせるスタンプ。
LINEスタンプには、キスを求めるようなものもありますが、間違っても使ってはいけません。
LINEを登録してすぐに無料でダウンロードできる、兎のコニーと熊のブラウンがハグしているスタンプも避けたい。異性の同僚にスタンプを送る際は、男であれば男らしいものにするべきです。
そもそもセクハラかどうかの分かれ目は、相手が嫌がっているかどうか。下心はなく純粋な気持ちで接していても、女性の一方的な主張によってセクハラ認定されることもあるわけです。職場の同僚のことが本当に好きだから何度も何度もデートに誘う――。そういった傾向にある人は、セクハラだといわれてしまう危険性が高い。
FacebookやTwitterでも同様。投稿内容にSNS上でコメントする分にはまだいいですが、その内容を職場に持ち込んではならない。
では、セクハラでっち上げや誤解を避けるにはどうすればいいか。
■同性の相手に送らないものは異性にも送らない
それは相手の立場になり、勘違いされそうな行動を徹底的に慎むしかありません。そのために、男性であれば相手が同性でも同じことをするかを考えてみることです。LINEのスタンプの場合でいえば、同性の相手に送らないものは異性にも送らなければいい。
もう1つ、いまだに相談件数が多いのが、飲み会帰りのタクシー内でのセクハラ。実際にセクハラ行為がなくても、そもそも酔っぱらっていて記憶も曖昧なので、女性がセクハラ被害を主張すれば認定される可能性が高まります。
男女でタクシーに乗ることを禁止する会社もあるほどです。とはいえ自宅の方面が一緒、泥酔して介抱が必要など、一緒にタクシーに乗ることもあるでしょう。その場合にこの会社では、女性を後部座席に乗せ、男性は助手席に乗るように指導しているそうです。
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▼SNSで恋愛感情を匂わせてはいけない!
部下の女性から送られてきたハートマークのついたLINEスタンプ
「今週も、お疲れさまでした(ハート)」
どんなスタンプで返事をする?
OK:同性にも使うスタンプ
NG:恋愛感情を匂わすスタンプ
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刈谷龍太
グラディアトル法律事務所 代表弁護士
1983年、千葉県生まれ。明治大学法学部卒業。中央大学法科大学院修了。得意分野はセクハラ、パワハラ、不当解雇などの労働問題。
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(グラディアトル法律事務所 代表弁護士 刈谷 龍太 構成=向山 勇 写真=iStock.com)