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●確度の高い新領域の開拓

スターバックス コーヒー ジャパンは15日、店舗外で商品を提供する「We Proudly Serve Starbucks」の本格展開を開始すると発表した。5年後に500カ所での提供を目指す。

○新サービスの提供場所イメージは?

「We Proudly Serve Starbucks」はスターバックス店舗以外で、コーヒーを提供する試みだ。企業内カフェテリアやレジャー施設、電車内、ホテル、空港内などでの提供を想定。米国では約20年前から提供されており、欧州、中近東など30カ国で展開しているサービスだ。

日本での導入が遅れたのは理由がある。かつての日本法人は店舗での販売にビジネスが限定されていた。これが2015年に米スターバックスの完全子会社となったことで展開が可能に。同時に日本国内で働き方改革の盛り上がりなども加わり、企業のカフェテリア等での需要が高く見込まれサービス開始となった。

正式発表に先立ち、日本国内では2016年10月のオムロンヘルスケア本社での導入を手始めに5社でテスト導入。かなりの手応えを得ており、オムロンヘルスケアでは1日200杯ほど販売しているという。

○スタバは直接絡まない

留意したいのは、スターバックス コーヒー ジャパンが運営しないことだ。エームサービスなどのビジネスパートナーが運営する。パートナーと同社が商品供給契約を結び、コーヒー豆などの原材料を提供するという形式だ。

同サービスで導入されるのは全自動の専用コーヒーマシン。店舗と同品質のアラビカ種のコーヒー豆を使用して抽出、コーヒーの販売を行なう。試飲してみても実際に店舗で提供される味と変わりなく、全自動マシーンを使ったと言われなければわからないほどだ。

目標は5年で500カ所。コーヒーマシンは全自動であり、無人でも提供可能だが、当初は有人対面での販売を行なっていく。当初は20-30カ所での展開し、しっかりとモデルを作ることに注力。以後、決済システムを整えて無人での展開を進めることで一気に普及を図る考えだ。

興味深いのは新サービスを店舗と比較したときの数である。米国では既存店舗は1万3000、対して「We Proudly Serve Starbucks」は3万6000カ所あるという。海外で成功しており、日本国内においてもニーズが見込める新サービス。海外の数を見ても、日本国内の店舗数をこえる期待感はありそうだ。

●データの活用も進む

○スタバが目指すもの

スターバックス コーヒー ジャパンが狙うのは新サービスからの収益だけではない。水口貴文CEOは「消費者との接点を増加させ、スターバックス体験を増やす。これをデジタルでつなぐ」という。デジタルとは昨年9月に発表した「スターバックス リワード」と呼ばれるロイヤルティプログラムのことだ。商品購入でスターがたまり、それを特典と交換できる。

表向きどの企業でも行なっているような取組みだが、企業目線では購買データなど各種データの活用を想定したものとなっている。データを解析して商品開発やマーケティング活動につなげていくのだ。

今後1年から1年半のスパンを考えて、新サービスにもスターバックス リワードの利用を可能にする考えであり、既存のスターバックス店舗にも還元できるようになるかもしれない。新サービスへの期待は収益面以外にも相当大きなものになるだろう。