大人もプログラム脳になれる? DeNAの子ども向け国産プログラミング教材は本格派だった

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2020年から小学校でプログラミング教育がスタートすることを受けて、子ども向けのプログラミング教材が注目されている。

Scratch(スクラッチ)やMinecraft(マインクラフト)などの人気が高いが、いずれも海外製だ。

そうした中、国産プログラミング教材「プログラミングゼミ」をDeNAが開発した。

●実際の授業を参考にして開発された小学校低学年向けのプログラミング教材
「プログラミングゼミ」は、DeNAが開発した本格的なプログラミング教材だ。
開発にあたっては、2014年から公立小学校1〜3年生で行ったプログラミング授業を参考に、生徒や教師の意見を取り入れたという。

アプリは、Windows / iOS / Android向けのフリーソフトとして提供される。
Windows用にはデスクトップ版とストアアプリ版がある。
デスクトップ版はカメラ連携等で制限があるため、ストアアプリ版が推奨されている。

iOS / Android向けがあることからも分かるように、操作は画面タッチで行う。なお、Windows版であれば、マウスで操作することも可能だ。


プログラミングゼミ。画面はWindowsのストアアプリ版。タッチまたはマウスで操作できる。


●ブロックを組み合わせてキャラクターを動かすのが基本的な仕組み
インストール後、初めて利用するときは、ニックネーム登録(ユーザー登録)を行う。
ユーザーはあとから追加することもできるので、兄弟姉妹で1つのアプリを使い分けることも可能だ。

アプリそのものは、ゲームをクリアしながらプログラミングの考え方を学べる仕組みになっている。

たとえば「パズル」では、障害物をよけながらキャラクターを動かしてケーキをとっていく。

キャラクターを動かすのがブロックだ。
ブロックには「↑にあるく」「→にジャンプ」などの種類があり、それを組み立ててキャラクターの動きを制御する。


最初にニックネーム(ユーザー)を登録する。複数のユーザーを登録できる。



メインメニュー。パズルを解いたり、ゲームをしたりすることで、徐々にプログラミングの考え方を学べる。学んだ知識を使ってオリジナルの作品も作成・公開できる。



障害物をよけながらキャラクターを動かしてケーキをとるパズルの例。



ブロックを組み合わせてキャラクターの動きを制御する。ブロックの数が制限されているので、けっこう難しい。


「あつめよう」は、あらかじめ組み立てられているブロックをバラバラして、もう一度組み立てることで、宝石をゲットする。
組み立てる過程で、キャラクターがさまざまな動きをするので、そのプロセスを通じて「繰り返し」や「条件分岐」「変数」などについて学べる仕組みだ。

分からないことがあったら、「ヒント」をタップして動画で説明を確認することもできる。非常に丁寧な説明が用意されているので、順番に見ていけば、小学生でも最後までたどりつけるだろう。


「あつめよう」では、「繰り返し」や「条件分岐」「変数」などを学べる。



宝石をゲットするには、ブロックをバラバラにして、もう一度正しく組み立てる必要がある。



「ヒント」をタップすると、説明を動画で確認できる。


●作品を自由に作って公開することもできる
学んだ知識を使って、自分のオリジナルの作品を作ることもできる。
作った作品を公開して、ほかのユーザーと共有するSNS的な機能も用意されている。

また、親や先生用には管理機能も用意されている。
使用時間の制限や作品公開の可否、コンテンツのレベル設定などが可能だ。

小学校低学年向けということで、説明文やボタンの表記にはひらがなが多いが、盛り込まれている内容は本格的だと思う。筆者も昔、少しだけJavaScriptをかじったが、オブジェクトやプロパティ、メソッド、イベント、繰り返しや条件分岐などの考え方を自然に学べるようになっていると思う。

小さいときにこうした考え方を体験しておけば、将来、本格的なプログラミング言語を学ぶときにも、自然に理解しやすくなるのではないだろうか。

子ども向けだが、頭の固くなった大人でも、楽しみながらプログラミングを学べる高度な教材だ。まずは、大人から学んで、子どもといっしょにプログラミングの世界を体験してみてはいかがだろうか。


学んだ知識を使って作品を自由に作り、公開することもできる。



親、先生用のメニュー



[設定]を選択すると、使用時間やレベルを設定できる。


プログラミングゼミ


井上健語(フリーランスライター)