外的要因も否定できないがあくまで運転者の安全意識の問題

 ヘッドライトを早めに点けることで、「自車の存在を周囲に知らしめる」という自己防衛的な面から交通安全につながるという事実は、多くのドライバーに浸透してきている。すでに暗さを感知して点灯するオートライトの義務化(2020年より)も決定、オートライト搭載車も増えてきている。

 しかしながら、いやヘッドライトを点灯しているクルマが増えてきているからなのか、無灯火のクルマが目立つという声も聞かれる。その理由として「多くのクルマが自発光式メーターを採用しているからでは?」という仮説も目にすることだろう。

 たしかに昔の機械式メーターは暗くなると見えづらくなるため、自然とヘッドライトを点けるタイミングに気づきやすかったという説はもっともらしい。とはいえ、かつても無灯火で走っているクルマは存在していた。いつの時代も安全に無頓着なドライバーは存在しているのだ。

 また、時代の変化として、街灯の整備された市街地や都市部においてはヘッドライトを点けなくても周囲が視認できるとドライバーが感じてしまうほど街が明るくなっているという影響も考えられる。いずれにしても、無灯火は交通違反であるから、そうした言い訳は効かない。

 冒頭に記したように、自車をアピールして安全につなげるという意味もあり、むしろ早めに点灯すべきというのが現代の常識となっている。

 そのためには、まずオートライトであればオート機能をオンにしておくことが基本。手動操作のクルマでは、見えづらいと思う前に時間帯を意識してヘッドライトを点けるようにしたい。さらに、夕暮れどきなど対向車がヘッドライトを点けているのを見かけたら、自車も点灯しているかを確認するようにしたい。自発光式メーターのクルマはメーター内にヘッドライト点灯のインジケーターがあるので、その表示を見て確認することを習慣づけておくといいだろう。