RPGアツマールのプレイ画面。画面左で顔が見切れている人物が黒先輩である。(出典:RPGアツマール)

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 niconicoを運営するドワンゴは24日、新たなサービスとして、ゲーム投稿&プレイサイト「RPGアツマール」(以下、アツマール)を開設した。アツマールは、製作者が『RPGツクールMV』で作成したゲームを投稿し、それをユーザーがPCブラウザもしくはスマートフォン(Android、iOS両対応)で遊ぶことができるサービス。また、ニコニコ動画同様、ゲーム画面にコメントを書き込むこともできる。

 RPGツクールは1997年に初代『RPGツクール95』が発売されて以来多くのゲーム製作者に愛用されているロングセラーのゲーム制作ソフトウェアである。2015年に登場した最新作MVはその歴史の中で初となるマルチデバイス出力対応型であり、Windows、Mac、Android、iOSの四規格で作成したゲームを出力することが可能。今回の『RPGアツマール』でもそれが活かされた形だ。また、アツマールの登場に合わせ、MVの側にもアツマールに直接ゲームを投稿する機能が実装された。

 さらに、アツマールはただのフリーゲーム投稿サイトではない。niconicoのクリエイター奨励プログラムにも対応しており、投稿したゲームが人気を博して多くの実況動画が作成されアクセスを稼ぐなどした場合、一定の奨励金が支払われる仕組みだ。ドワンゴによれば、ゲーム投稿によって収入を得ることができる自作ゲーム投稿サイトはこのアツマールが初であるという。

 まだサービスオープンの直後で掲載作品数は少ないが、一つ、既に知名度のある作品(厳密にはそのアツマール向けリメイク版)が投稿済みであるので紹介してみよう。コミカライズもされた、饗庭淵氏の『黒先輩と黒屋敷の闇に迷わない』。いわゆる「館物ホラーミステリ」の皮をかぶった、実際には年上無表情クール系黒髪長髪ヒロイン「黒先輩」とイチャイチャするのがメインの、微妙にアダルトな雰囲気の小品である。プレイ時間はそう長くないので、お試しで遊んでみるのにも丁度よいと思われる。

 そもそも、現在の日本のフリーゲーム業界では、ゲーム制作者が自らのホームページを持ってそこで作品を公開し、「フリーゲーム大賞」「ウディコン(WOLF RPGエディター コンテスト)」などの有名コンテストで知名度を稼ぎ、ホームページに人を集めるという形が一般的であった。アツマールはこの日本フリーゲーム界に新たな風をもたらすことができるか。今後の推移を見守っていきたい。