「怒りの専門家」が実践する イライラしたときの対処法
仕事や私生活で、怒りを感じる場面は多々あります。そんな時どうしていますか?
人や物に当たったら人間関係が壊れてしまいますから、怒りは自分でコントロールできないといけません。
今回は『アンガーマネジメント×怒らない体操 たった6秒で怒りを消す技術』(集英社刊)の著者、日本アンガーマネジメント協会代表理事の安藤俊介さんと、ウォーキングトレーナーとしておなじみのデューク更家さんにインタビュー。
怒りをコントロールするコツや、「怒り」と「体」の密接なつながりについて聞いてみました。
――お二人にも、怒りを感じる瞬間があるかと思いますが、そんな時はどうしていますか?
安藤:心の中で自分を落ち着かせる言葉を使いますね。僕の場合は「まあ、何とかなるかな」が多いです。本でも書いているのですが、これはどんな言葉でもいいんです。自分が落ち着く言葉を持っておくと、いざという時に役立ってくれると思います。
デューク:僕は何を言われても、一度全部飲み込むようにしていますね。
奥さんによく怒られているのですが(笑)、やっぱりムカッとくることもあるんですよ。だけど、そんな時でも「うん、そやな」と受け入れると、自分も相手もそれ以上は怒りが広がりません。
――カッとした瞬間に爆発してしまう「瞬間湯沸かし器」のような人は、どのようにして怒りをマネジメントしていけばいいのでしょうか。
安藤:そういう方は「カッとなる前」が大事です。というのも、カッとなって爆発してしまうにしても、その予兆は必ずあるんですよ。爆発する前にはイライラしている時間があるはずで、どんな時にイライラするかは、人によって必ず傾向があります。
その傾向がわかれば予防ができますから、まずはイライラしたときのことを記録して、自分の傾向を知るところから始めるのがいいのではないでしょうか。
――怒りをどう表現していいかわからず、結局我慢してしまう人もいますね。このタイプはストレスを溜めがちですが、どのように改善していけばいいのでしょうか。
安藤:こういう人は、言語能力に原因があるのかもしれません。というのも、怒りというのはとても幅の広い概念で「イライラする」や「ムッとする」「頭にくる」「腹が立つ」「腸が煮えくり返る」など、段階や程度ごとに様々な言葉がある。
言語能力の高い人は、こういう言葉を使って、怒りを正確に伝えられるのですが、言葉を知らないとそれができないわけです。だから、黙り込んで我慢してしまったり、逆にやたらに怒鳴ってしまったりします。怒鳴るというのは、言葉の選び方で怒りの強弱がつけられない代わりに、声のボリュームで強弱をつけようとすることなので。
だから、「怒り方がわからない」という人は、本を読んだり映画を見たりして、怒りを表す言葉の引き出しを増やす訓練をするといいのではないかと思います。
――「自分の怒りのコントロール」だけでなく「他人の怒りの受け止め方」もアンガーマネジメントだとうかがいました。
安藤:そうですね。たとえば、ものすごく怒りっぽい上司がいる時、その上司を変えることはできませんが、その上司から受けるダメージを減らすことはできます。
遅刻をしてしまい「遅刻をするなんて、社会人失格だ」と怒られたとする。この言葉の中で「遅刻をした」は事実ですから、受け止めなければいけません。ただ、「社会人失格だ」は上司の主観であって、事実ではありませんよね。
だから、こちらは聞く必要はない。この切り分けが上手にできるようになれば、怒られても必要以上に落ち込んだり、ストレスを抱えることはなくなるはずです。
――自分の感情に振り回されるのは、精神的にも肉体的にも疲れます。最後になりますが、こういったことで疲弊されている方々にアドバイスやメッセージをお願いいたします。
安藤:自分の感情のせいで疲弊している人は、感情にとらわれている状態です。つまり、自分のメンタルにばかり目が行ってしまっているんです。
だからこそ、心と体はリンクしているという視点を持っていただきたいと思います。気持ちを整えようとすると、どうしても瞑想や座禅という方向に行ってしまいがちなのですが、体を動かすことでも心を整えることはできるんです。
この本は、それがテーマになっていますので、ぜひ体験していただきたいですね。
デューク:歩くときなどもそうですが、体というのは常に揺れていないとバランスが取れません。これは心もそうで、常に揺れているからこそ、人の意見に対しても柔軟に受け止められたりする。
これが固まってしまうと、かえって外からの刺激に弱くなるんです。人から言われたことに対して「ああ、そうなんや」と素直に受け入れられず、心が乱れてしまいます。
心も体も、常に力を抜いて、柔らかく揺らしておくことが大事です。この本で紹介したエクササイズはその役に立つと思いますので、心身のバランスを取るために日頃から取り入れていただければいいなと思います。
(新刊JP編集部)
・インタビュー前編はコチラ→仕事中のどうしようもない怒り キレる前にやるべきこと
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怒りをコントロールするコツや、「怒り」と「体」の密接なつながりについて聞いてみました。
安藤:心の中で自分を落ち着かせる言葉を使いますね。僕の場合は「まあ、何とかなるかな」が多いです。本でも書いているのですが、これはどんな言葉でもいいんです。自分が落ち着く言葉を持っておくと、いざという時に役立ってくれると思います。
デューク:僕は何を言われても、一度全部飲み込むようにしていますね。
奥さんによく怒られているのですが(笑)、やっぱりムカッとくることもあるんですよ。だけど、そんな時でも「うん、そやな」と受け入れると、自分も相手もそれ以上は怒りが広がりません。
――カッとした瞬間に爆発してしまう「瞬間湯沸かし器」のような人は、どのようにして怒りをマネジメントしていけばいいのでしょうか。
安藤:そういう方は「カッとなる前」が大事です。というのも、カッとなって爆発してしまうにしても、その予兆は必ずあるんですよ。爆発する前にはイライラしている時間があるはずで、どんな時にイライラするかは、人によって必ず傾向があります。
その傾向がわかれば予防ができますから、まずはイライラしたときのことを記録して、自分の傾向を知るところから始めるのがいいのではないでしょうか。
――怒りをどう表現していいかわからず、結局我慢してしまう人もいますね。このタイプはストレスを溜めがちですが、どのように改善していけばいいのでしょうか。
安藤:こういう人は、言語能力に原因があるのかもしれません。というのも、怒りというのはとても幅の広い概念で「イライラする」や「ムッとする」「頭にくる」「腹が立つ」「腸が煮えくり返る」など、段階や程度ごとに様々な言葉がある。
言語能力の高い人は、こういう言葉を使って、怒りを正確に伝えられるのですが、言葉を知らないとそれができないわけです。だから、黙り込んで我慢してしまったり、逆にやたらに怒鳴ってしまったりします。怒鳴るというのは、言葉の選び方で怒りの強弱がつけられない代わりに、声のボリュームで強弱をつけようとすることなので。
だから、「怒り方がわからない」という人は、本を読んだり映画を見たりして、怒りを表す言葉の引き出しを増やす訓練をするといいのではないかと思います。
――「自分の怒りのコントロール」だけでなく「他人の怒りの受け止め方」もアンガーマネジメントだとうかがいました。
安藤:そうですね。たとえば、ものすごく怒りっぽい上司がいる時、その上司を変えることはできませんが、その上司から受けるダメージを減らすことはできます。
遅刻をしてしまい「遅刻をするなんて、社会人失格だ」と怒られたとする。この言葉の中で「遅刻をした」は事実ですから、受け止めなければいけません。ただ、「社会人失格だ」は上司の主観であって、事実ではありませんよね。
だから、こちらは聞く必要はない。この切り分けが上手にできるようになれば、怒られても必要以上に落ち込んだり、ストレスを抱えることはなくなるはずです。
――自分の感情に振り回されるのは、精神的にも肉体的にも疲れます。最後になりますが、こういったことで疲弊されている方々にアドバイスやメッセージをお願いいたします。
安藤:自分の感情のせいで疲弊している人は、感情にとらわれている状態です。つまり、自分のメンタルにばかり目が行ってしまっているんです。
だからこそ、心と体はリンクしているという視点を持っていただきたいと思います。気持ちを整えようとすると、どうしても瞑想や座禅という方向に行ってしまいがちなのですが、体を動かすことでも心を整えることはできるんです。
この本は、それがテーマになっていますので、ぜひ体験していただきたいですね。
デューク:歩くときなどもそうですが、体というのは常に揺れていないとバランスが取れません。これは心もそうで、常に揺れているからこそ、人の意見に対しても柔軟に受け止められたりする。
これが固まってしまうと、かえって外からの刺激に弱くなるんです。人から言われたことに対して「ああ、そうなんや」と素直に受け入れられず、心が乱れてしまいます。
心も体も、常に力を抜いて、柔らかく揺らしておくことが大事です。この本で紹介したエクササイズはその役に立つと思いますので、心身のバランスを取るために日頃から取り入れていただければいいなと思います。
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