【米国はこう見ている】川崎カブス入団で歓喜と悲鳴が交錯!? 「世界一へ最後のピース」「一番辛い」
地元ファンが敏感に反応、シカゴでは早くも歓迎の声!?
ブルージェイズからフリーエージェント(FA)となっていた川崎宗則内野手が、カブスとマイナー契約を結んだ。米国5年目で初となるナ・リーグ球団で、昨年は叶わなかった悲願のワールドシリーズ制覇を目指すことになるが、この“移籍劇”に地元ファンの歓喜と悲鳴が交錯している。
ブルージェイズの地元トロントでは、マイナーとの行き来を繰り返しながら、底抜けに明るいキャラクターで絶大な人気を誇った。昨年のプレーオフでは、ロースター外にもかかわらずチームに帯同。地区シリーズでは劣勢に陥ったチームをロッカールームで日本語で鼓舞し、リーグ優勝決定シリーズ進出直後に地元テレビに出演した際は、「歴史に残るインタビュー」と米メディアから絶賛された。
他にも、ブルージェイズ時代にはキレのあるダンスや英語でのインタビューで数々の伝説的な映像を残した川崎。昨季終了後には、MLBに公式動画サイトの「Cut4」で「ムネノリ・カワサキでいることによるムネノリ・カワサキ賞」を受賞。「ムニ(川崎の愛称)は常にカメラの前で最高を映し出す」と評価された。
そんな天性のムードメーカーをカブスファンは早くも歓迎している。ツイッターでつぶやかれたコメントには、川崎の加入を喜ぶ声が多く並んだ。
「今オフ1番の契約だ」「なぜなんだブルージェイズ?」
「ワオ、これはカブスが今オフに結んだベストの契約だ…エンターテイメントはプライスレスだ」
「なんて素晴らしいんだ!」
「カブスのワールドチャンピオンに向けて、最後のピースが揃ったね」
「彼は万能のしゃべり手だ。今オフ1番の契約だ、もし彼のことをよく知らないなら、すぐにYouTubeを見たほうがいい」
川崎を108年ぶり世界一への「最後のピース」と称したり、決して完璧ではない英語にもかかわらず「万能のしゃべり手」と評価して動画視聴を勧める声も上がるなど、反応は上々だ。
一方で、川崎を愛するブルージェイズファンからは悲しみの声が上がっている。
「ノーーーーーーーー。どういうことだシャパイロ」(ブルージェイズの球団社長はマーク・シャパイロ氏)
「ブルージェイズファンにとっては辛いオフシーズンだけど、今回のニュースが一番辛い。プライス(FAでレッドソックスに移籍)と契約できない覚悟はしてたけど、なぜカワサキも!?」
「なぜ、なぜなんだブルージェイズ? カワサキがいなくなって傷心だよ」
「ブルージェイズファンとして悲しくなるよ」
本拠地ロジャース・センターでは、チームの主力選手を上回る声援を浴びていただけに、再契約しなかった球団社長を非難する声や、ただ悲しみに暮れるコメントが寄せられている。
シカゴの地元メディアも特集、「ブルージェイズファンから絶大なる愛着を受けていた」
カブスの地元テレビ局「CSNシカゴ」(電子版)では、早くも特集記事を掲載。「トロントでファンに愛された存在が、この春シカゴ北部に?」との書き出しで、川崎について伝えた。
その中で、「彼はその人柄でブルージェイズファンから絶大なる愛着を受けていた」と言及。「彼はサヨナラ打を放った後に行った歓喜のインタビューで、野球界に小さな爪あとを残した」とシカゴのファンに紹介した。ブルージェイズ入団1年目の2013年に、本拠地ロジャース・センターのヒーローインタビューで「アイ・アム・ジャパニーーーズ!」と絶叫した場面は、もはや“伝説”となっている。
マイナー契約での加入で、新天地でも厳しい戦いが待っている。カブスの内野には生きのいい若手が多く、争いは熾烈だ。それでも、メジャー昇格をつかみとり、より多くの出場を機会を得るため、そしてチームに貢献するためにカブスに乗り込む。世界一は、川崎自身の悲願でもある。ひたむきなプレーと明るいキャラクターで、大都市シカゴでもファンのガッチリと心を掴むに違いない。