日本vsアメリカ
メジャーリーグは、世界の野球の頂点にあるが、国際大会となると、メジャーリーグ選抜より、必死さが違うメジャー予備軍の方が手ごわい。この試合で先発したギャレットは速球、スライダーにキレがあり、日本は4回まで安打はわずか1本、三振は7個と完璧に抑えられていた。
一方日本の先発は佐藤 世那。「佐藤の変化球をアメリカの打線は嫌がるかと思いました」と、西谷 浩一監督は、起用の理由を語る。その狙い通り、躍動感のある投球に、得意のフォークを効果的に使いアメリカを封じる。
0対0の均衡を破ったのは、日本の足であった。5回裏日本は、6番伊藤 寛士が右前安打で出塁すると、郡司 裕也がしっかり送り、この日二塁手で先発している8番津田 翔希が右前安打。伊藤が生還し、日本が先制した。伊藤も津田もこの日が初先発。左投手の登板も想定しての起用であったが、右投手のギャレットにも、うまく適応した。
その津田は飛び出して刺されたものの、9番舩曳 海は四球で出塁。すかさず盗塁して二塁へ。1番オコエ 瑠偉はボテボテの一ゴロ。これを快速オコエは内野安打にする。その間に舩曳は一気に本塁を陥れ、2点目。内野安打のオコエも二盗。オコエは二盗に成功した後、3番平沢 大河の打席で二、三塁間に挟まれるも、三塁手が二塁へ暴投。カバーの右翼手がもたつく間に、オコエは一気に本塁へ。スライディングのベースタッチが一瞬早く、アメリカに大きなダメージとなる3点目を挙げた。
佐藤は5回表に2本の安打と四球で一死満塁のピンチを招くが、併殺に切り抜ける。そこから疲労も懸念されたが、9回に1本打たれた以外は、6回以降は安打を許さない。
この日マスクを被った仙台育英の同僚・郡司は、「アメリカがフォークを狙ってきたのが分かったので、中盤からフォークを決め球くらいに使う程度にしました」と語る。
日本の足を使った攻撃と、仙台育英バッテリーの息の合った投球で、日本はアメリカに快勝。佐藤はアメリカを被安打5、奪三振9に抑えた。
負けたとはいえ、アメリカも当然次のラウンドに残るだろう。スーパーラウンド進出チーム同士の1次ラウンドの対戦結果はそのまま持ち越される。その意味でも、日本にとって貴重な1勝であった。
(文=大島 裕史)
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