1日、足立区の荒川河川敷で行われた総合防災訓練。(撮影:佐藤学)

写真拡大 (全2枚)

東京都と足立区は「防災の日」の1日、帰宅困難者の対応に重点を置いた総合防災訓練を同区の荒川河川敷訓練会場で実施した。東京湾北部を震源としたマグニチュード(M)7.3の地震を想定した訓練では、水上バスや海上保安庁の舟艇を利用して、帰宅困難者を埼玉と千葉、神奈川の3県に水上輸送した。

 首都直下型地震では約390万人と想定される帰宅困難者の支援訓練は、首都北部有数のターミナル駅の一つ、北千住駅から始まった。同駅はJR常磐線・東武伊勢崎線・東京メトロ千代田線・日比谷線などの乗換駅で、1 日の乗降客数は約163万人。

 約800人の訓練参加者は北千住駅付近の臨時避難場所から広域避難場所に指定されている荒川河川敷へ徒歩で移動し、臨時船着き場から小型舟艇などに乗り込んだ。千葉と神奈川県ルートは、さらに東京港から大型輸送船に乗り換えて海上輸送された。

 区内の小学生も、帰宅困難者の一部として水上避難訓練に参加した。学校から荒川千住新橋の避難地域まで歩き、右岸から左岸へ小型舟艇で渡った。ライフジャケットを身につけて乗船した6年生男子児童は「雨で床が滑るのと、舟が揺れるために長い時間しゃがんでいるのが大変でした。おじいさんやおばあさんはつらいと思います」と体験を語った。

 訓練を終えて避難テントで雨を避けて休む児童たち。引率の教師は「子どもたちはみんな水筒を持ってきましたが、夏休みのため、雨具準備の連絡が行き届かなかった」と反省点を挙げていた。別の男の子は「本当の大地震の時に落ち着いて避難できるかはわかりませんが、ほかの学校の子にも訓練を勧めます」と語った。【了】

■関連記事
防災の日、在日米軍も初参加