東京都台東区の国立科学博物館で行われている、イルカの大量座礁に関する展示。（撮影：久保田真理）

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約70頭ものイルカがなぜ海岸に打ち上げられたのか――。2006年２月28日、千葉県一宮町で起きたイルカの大量座礁に関する調査結果の展示が、東京都台東区の国立科学博物館で行われている。９月３日まで。

　同博物館は、これまで進めてきた調査結果をパネルで紹介し、実際に打ち上げられたイルカの骨格標本や脳などを展示している。大量座礁が起きた原因は特定できていないが、可能性の高い10説を紹介。イルカが地形を認知するために発する超音波が砂地に吸収され、地形を把握しにくくしていることや、海流の変化に適応できずに海岸に流れ着いてしまうなど、さまざまな原因が考えられている。同博物館研究協力室の都川匡史（みやこがわただふみ）室長によると、大量座礁はこれらの原因が複合的に関係して起きたと考えられており、今後は原因を裏付けるための研究を進める予定という。

　今回の展示では、実際にイルカの骨に触れたり、映像で大量座礁の様子を見たりすることができる。また、７月31日からは同博物館のウェブサイトで、展示解説に関するコンテンツを紹介。携帯用ゲーム機「プレイステーション・ポータブル」にコンテンツをダウンロードして、パネルや標本を見ながらさらに詳しい解説を読むことができる。都川室長は「子供たちに展示を見てもらい、自然界には知らないことがたくさんあることを知ってほしい」と話す。

　開館時間は、午前９時から午後５時（金曜日は午後８時）まで。月曜休館。入場料は、大学生以上500円、高校生以下は無料。問い合わせは、国立科学博物館協力研究室（電話：03-3364-7103）まで。【了】

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