By Kārlis Dambrāns

日本では2014年9月に発表されたAppleのiPhone 6およびiPhone 6 Plusは従来機種から大幅にサイズが拡大しており、発表直後から「やっぱりデカすぎる」という声が挙がるなど、賛否両論が出ていました。そんな中、マーケットリサーチ企業であるCounterpoint Researchが公表したスマートフォンの販売シェアデータから、実はiPhone 6シリーズがアジア地域で売れまくっていたという状況が明らかになっています。

Apple Records Highest Ever Market Share in Japan & Korea - Counterpoint Technology Market Research

http://www.counterpointresearch.com/applepulsenov2014

Apple’s Smartphone Sales in Asian Markets Soar - Counterpoint - WSJ

http://www.wsj.com/articles/BL-DGB-40018

◆日本における販売シェアの動向

2014年における月別のメーカー別シェアをグラフにしたものがこちら。8月の時点まではソニーがトップを走っていた販売シェアですが、iPhone 6シリーズが発表された9月を境にAppleのグラフ(灰色)だけが別次元の急上昇を見せています。9月にピークを記録した後は下降傾向を示しているとはいえ、2014年11月時点での販売シェアは全体の51%にも達しており、文字どおり「2台に1台はiPhoneが売れている」という様相を呈しています。



Counterpoint Researchでは日本での状況について「今後短い期間のうちに他メーカーがシェアを取り戻すことは非常に難しい」とし、このAppleの強さが2015年に発売されるApple Watchの動向にどのような好影響を与えるのか注目しています。Apple WatchはiPhoneなどと連携して使うため、普及率の高さがそのまま市場規模の大きさを意味することになります。

韓国における販売シェアの動向

そして、ある意味で日本の状況以上に大きな衝撃を意味しそうなのが、Samsungのお膝元である韓国における販売シェアのグラフ。韓国では10月31日からiPhone 6シリーズの販売がスタートしたのですが、その結果、10月までは15%に満たなかったAppleの販売シェアが11月に入るやいなや33%にまで急上昇を見せました。これまで韓国では国外メーカーのシェアが20%を超えることは1度もなかったとのことですが、iPhone 6シリーズの登場で20%の壁を軽々とクリア。このことからも、いかにiPhone 6シリーズが衝撃的にユーザーに受け入れられた様子が浮き彫りになってきます。



さらに、SamsungやLGといった韓国メーカーのシェアが大幅に減少したことも象徴的といえそう。10月までのSamsungの販売シェアは60%にまで達していたわけですが、iPhone 6シリーズの急上昇と反比例する形でシェアを大きく落とすことに。Samsungは非常に多岐にわたるモデル展開で販売シェアを構築してきたことはよく知られていますが、これはわずか数機種のモデル展開で大きくシェアを伸ばしたAppleの状況と対照的。依然として韓国内ではトップの座はキープしているものの、スマートフォンの販売不調が伝えられるSamsungの置かれた現状を象徴していると言えそうです。

Counterpoint Researchはまた、中国における動向も伝えています。2014年にAppleは中国での売上額を45%伸ばしており、販売シェアは12%を記録。これは1位のXiaomi(18%)、そして2位のLenovo(13%)に肉薄する実績となっており、続く12月の実績も好調とみられることから、中国で第2位の販売シェアを獲得する可能性も高くなってきたと言えるのかもしれません。Xiaomiは2015年1月のイベントで同社の新フラッグシップ機となる5.7インチスマートフォン「Mi Note」を発表していることからも、今後のシェア争いは熾烈さを増していくことは想像に難くありません。