一昨日の田中将大、昨日のダルビッシュに対する相手チームの攻め方を見ていると、これまで成功してきたNPBスタイルの投球が、MLBによって攻略されつつあることを感じる。

ダルビッシュとオークランド・アスレチックスの戦績を一覧にしてみた。
イニングごとの失点、左右別の被安打、被本塁打、投球数、1回当たりの投球数(NP/IP)、ストライク率(S%)、ゴロアウト(GO)とフライ、ライナーアウト(AO)などの数値。

Dar-OAK01

ダルビッシュは立ち上がりが問題だと言われるが、アスレチックスの場合、むしろ2回以降の方が失点が多い。

これは上位だけでなく下位打線にも攻略されていること、そして1順目だけでなく2順目以降に攻略されていることを意味している。

最初の対戦で8回途中まで投げたダルだが、段々長く投げることができなくなっていることがわかる。深刻だ。

その最大の原因は、NP/IPが悪化していることにある。昨年後半からダルは20球近い球数を費やすようになった。
この数字とS%の低下から見えてくるのは、アスレチックス打線がボール球にほとんど手を出さなくなっている事実だ。
ダルのMLBのキャリアでのNP/IPは16.5、この数字は平均よりやや悪いくらいだが、アスレチックス戦だけでは18.2まで落ちる。
とにかく、敵はボール球に滅多に手を出さないのだ。

GOとAOの比率は圧倒的にAOが多い。GO/AOは0.40。

ダルはもともとMLBではフライボーラーではある。しかしキャリアでは1.02。MLB平均の1.11より多少フライが多い程度。
アスレチックス戦の0.40は異様である。アスレチックス打者はゴロをほとんど打たないのだ。

このしぶとさに、ダルは根負けした形だ。なおも考察を続ける。