ときに涙を浮かべながら、平和運動について語ったマック赤坂

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 当選の見込みが薄い泡沫(ほうまつ)候補と言われ続けながら、幾度も選挙に立候補し続けてきた政治活動家のマック赤坂が1日、虎ノ門ガーデンシアターで行われた『映画「立候補」』のトークショーに出席し、改めて選挙活動から退く意思を明らかにした。


 マック赤坂といえば、スマイルの本場、アメリカは西海岸のセレブスマイルをモデルに、インドのヨガのテイストを加えたメソッド「スマイルセラピー」を普及させるために活動してきた人物。これまで幾度となく選挙に出馬してきた彼は、先の参議院選挙にも出馬。「5万票に届かなければ引退」と宣言していた。


 そしてこの日、「参院選大反省会」と銘打った本トークショーに出席したマックは、選挙の敗北を踏まえ、「もう選挙には出ません!」と宣言。会場からは「えー!」と引退を惜しむ声が上がった。その声を受けたマックは、「明日(8月2日)の8時からは市民運動家として、国会議事堂前で、わたしがなれなかった参議院議員になった人たちの前で演説をします。ぜひ来てください!」と観客に呼び掛けた。


 その後、今年6月、広島と長崎、鹿児島県知覧町に足を運んだというマックは、涙を浮かべながら、戦争の悲惨さを切々と語りだす。そして「今まで何で選挙に出るの? と聞かれてきましたが、答えが出ました! 平和運動です」と断言。今回の参院選の政見放送では、インドの政治指導者マハトマ・ガンディーの恰好をしていたことに触れ、「わたしが訴えたいのは、非暴力、恒久平和、武器よさらばです! 自民党と公明党は、憲法を改正して戦力を持ち、(日本を)戦争の時間に戻そうとしている。俺は右でも左でもない。平和に右も左もない! わたしは政治家としては引退しますが、運動家としては永遠にやります」と宣言し、大きな拍手を受けた。そして去り際、劇場に詰め掛けた観客を見たマックは「今まで一人で戦ってきたけど、限界がある。今は皆さんがいるのかな……」とポツリつぶやいた。


 マック赤坂の選挙活動に密着した本作は、「負け戦と知りながらも戦い続ける」泡沫(ほうまつ)候補の悲喜こもごもを描き、笑って泣ける選挙映画として口コミが拡大。上映館のポレポレ東中野では、12日連続で満席を記録するなど、異例のヒットを記録している。(取材・文:壬生智裕)


『映画「立候補」』はポレポレ東中野ほかにて公開中