誰もが認めるザックジャパンのエース・本田圭佑。彼は“王様”か、“ビッグマウス”か。本当の評判は?

写真拡大

コンフェデ杯もメキシコ戦(日本時間23日早朝)を残し、日本のグループステージ敗退が決定。ザックジャパンは今、大きな転機を迎えようとしている。

イタリアには組織的サッカーが機能し、あと一歩というところまで追い詰めたものの、個人技で圧倒的な差を見せつけられたブラジルには完敗。W杯本番まで1年、現在のメンバーを主力に据えたまま“個”のレベルアップを図る方針でいくのか、それともメンバーをガラリと変えてチーム作りをリスタートするのか、ザッケローニ監督は大きな決断を迫られているに違いない。

だが、たとえチームが再編成されたとしても、中心となる選手は不動だろう。それはもちろん、コンフェデ杯でもあふれる闘志でチームを引っ張っている本田圭佑だ。

日本代表という個性の強い集団のなかでも、ピッチ上での本田の存在感は群を抜いている。

「細かい気配りで選手をフォローし、まとめていく主将の長谷部誠が“ザックジャパンの母”だとすれば、さしずめ本田はチーム内の“父”的存在。実は5月末のブルガリア戦に負けた後、いまひとつチームの士気が上がっていなかった。そんななか、本田がオーストラリア戦前日に戻ってくると、全体の雰囲気がピリッと締まった。文字どおりの大黒柱ですよ」(サッカーライターC氏)

だが、彼の“有言実行”は、時として“ビッグマウス”に映ることもある。W杯出場を決めた翌日の記者会見で、チームメイトひとりひとりを名指しして課題をつきつけ、「批判」や「説教」と報道されてしまった。プレーでの信頼度は絶大だが、チームワークという面で心配はないのだろうか。

「ジーコジャパンのときの中田英寿のようにお高くとまって孤立したりしてない。周囲の選手は本田からプレーヤーとしての刺激を受けながら、遠慮なく本田をイジるし、サッカーのことでもがんがん言い合っている。双方向の健全な関係があるよね」(サッカー専門誌編集者A)

大黒柱ではあるが、決してアンタッチャブルな存在でないところが、本田のキャラクターだ。

「帰国時のファッションなどで無理して大物感を演出しようとしてますけど(笑)、基本的に本田っていいヤツだと思うんですよ。2010年の南アフリカW杯では、自分でゴールを決められる場面で岡崎慎司にパスを出したように、仲間意識も強く、チームのことをすごく考えている。イヤなヤツだったら、あれほど周囲を安心させられる存在にも、チームの本当の中心にもなれないですから」(サッカーライターC氏)

日本代表を間近で取材し続けている記者たちから聞こえてくるのは、プレーでの存在感以上に、“人間・本田圭佑”としての魅力だ。

「だから、香川真司だって一目置く。香川は本心ではトップ下のほうがしっくりくると思ってるだろうけど、本田が真ん中をやって自分が左サイドに回るほうがチームは機能すると納得しているから、決して不満を漏らさない」(サッカー専門誌編集者A)

本田が公言する「W杯優勝」、チームメイトだけでなく我々サポーターも信じてみたい。

(写真/益田佑一)