人気漫画のポーズ「ジョジョ立ち」を日本テレビ系「ZIP!」がストレッチになると紹介し、出演者らからツイッターで異議の声が上がっている。

ジョジョ立ちとは、週刊少年ジャンプで26年前から連載している「ジョジョの奇妙な冒険」のキャラたちが決める独特なポーズのことだ。

最近ジョジョの漫画が女性に人気で

このポーズでは、全身を使って関節をひねることで、力強さを表現することができる。2013年1月3日の箱根駅伝で、順天堂大アンカーの堀正樹選手が6位でゴールしたときにその1つを決めて話題になった。

29日に放送された朝の情報番組「ZIP!」では、最近ジョジョの漫画が女性に人気があり、女性らは「ジョジョ立ち」にもはまっていると紹介した。そのセクシーさやスタイルがよく見えるのが魅力だという。

ジョジョ好き女子による「ジョジョ女子会」も開かれるようになったとして、そのうちの1つを紹介した。番組スタッフが女子会を開いているメンバーの家を訪れると、メンバー1人がジョジョ立ちについてこう明かした。

「体のストレッチになるので、お風呂上がりとかにやると、ダイエット効果もあるかなと思って…」

さらに、スタッフが確かめると、「実際にやってます」と答えた。

その後は、メンバーらにジョジョ立ちのポーズを決めてもらい、太もも編では「太ももに効く」、下半身編では「つま先で全身を支えるため下半身に効く」などと解説した。最後に、「ジョジョ立ちは、全身のストレッチにもなるということが分かりました」と紹介し、スタジオ全員でポーズに挑戦していた。

これに対し、出演者らを集めたという東京都内のバーの男性マスター(35)が、ツイッターで「さあ、やらせジョ女子会が始まったぞ…」とつぶやき始めた。マスターは、12年11月17日に500人を集めて「ジョジョ立ちin東京ドーム」のイベントを開いた団体の管理人もしている。

出演者は収録現場の空気を読んで言った?

そして、番組を見たジョジョファンから「ストレッチのためにジョジョ立ちやってるわけじゃねぇよ!!」と怒りの声が出ると、このマスターは、「誘導されたセリフゆえご容赦を…」と釈明したのだ。

その説明によると、日テレ側から「ジョジョの魅力についての特集」として出演者紹介の依頼があって協力することにしたが、「収録日にジョジョ立ちの魅力にすり変わってた」そうだ。こうしたことについて、マスターは、「正確にはやらせ、というより完全にレールが敷かれてて、それ以外のことがさせてもらえない雰囲気でした」「催眠術だとか超スピードだとかよりもっと恐ろしいテレビの片鱗を味わいました…」と明かしている。

ただ、ジョジョファンから「ジョジョ立ちが好きなんじゃなくて、ジョジョが好きだからジョジョ立ちやるんだよね」と確かめられ、「この考え方が一番しっくりきました」と言っている。

マスターはさらに、ストレッチになると番組で発言したメンバーの女性は、ジョジョ立ちは全然できないと収録直前に相談してきたとした。番組での発言は、「収録現場の空気を読んで言った」というのだ。

この女性も、そのことを認めているようだ。ツイッターで「実はストレッチとしてジョジョ立ちやったことありません」と告白した。「毎日やってたら効果あるかも」としながらも、「とりあえず風呂上がりにジョジョ立ちなんてしたことねーわ」という。それでも発言した理由については、「レベル落としてしゃべってって言われたので」と弁解している。

日テレ側は、なぜ出演者らがストレッチのためにジョジョ立ちしているのではないことを最初に伝えなかったのか。日テレの総合広報部に取材すると、担当者が打ち合わせ中で対応できないとして話が聞けなかった。