ところが、最近は為替ヘッジありのほうが成績がよくなる傾向が見られます。

なぜでしょうか。

大きな理由は、円高が続いていることです。

為替ヘッジなしは、円高の影響をストレートに受けて基準価格が下落しました。

逆にヘッジありは、円高でそのメリットを最大限に活かせているといえます。

もう1つは、日本と海外の金利差の縮小です。

2008年9月のリーマン・ショックのあと、先進各国が政策金利を引き下げたことによって、ヘッジコストが安くなったのです。

現在、日本と米国の金利差はほとんどないので、コストなしに為替ヘッジができる状態といえます。

こうしたことから今、海外の株や債券に投資する投資信託では、為替ヘッジつきが人気を集めているのです。

ファンドによっては、資産全体に100%の為替ヘッジをかけるものもあれば、部分的にヘッジするものもあり、また、ヘッジする・しないを機動的に切り替えるものもあります。

また、1つのファンドに、ヘッジありとヘッジなしの両方があり、どちらか選んだり手数料なしでスイッチング(変更)が可能だったりするものもあります。

海外の資産に投資する投資信託を利用するときは、為替のヘッジがどうなっているかは要チェックです。

今は為替ヘッジありの人気が高いとはいえ、この円高や金利の状況がいつまで続くかはわかりません。

また、ヘッジによって為替のリスクが抑えられたとしても、投資する対象(株や債券など)の値動きによって基準価額が下がる可能性があります。

ですから“ヘッジあり”で安心してしまうのではなく、為替や金利の動向、ファンドの基準価額をウォッチしていくことも大切です。