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■巨人、6選手に契約金36億円 球界申し合わせ超過。
プロ野球・読売巨人軍が、球界で申し合わせた新人契約金の最高標準額(1億円プラス出来高払い5千万円)を超える契約を多数の選手と結んでいたことが、複数の関係者証言と朝日新聞が入手した内部資料から明らかになった。14日現在で確認できたのは、1997〜2004年度に6選手と結んだ計36億円の契約で、このうち計27億円が最高標準額を超過する内容だった。
中略
超過額の契約が判明したのは、高橋由伸、上原浩治(現大リーグ)、二岡智宏(現日本ハム)、阿部慎之助、内海哲也、野間口貴彦の6選手。






これに対し巨人軍は
■「6選手はいずれも、最高標準額が契約金などの上限ではなく、緩やかな目安としてプロ野球界で認識されていた時期に入団している」


この業界の慣習として容認されていた「裏金」が、認められなくなったのは2004年のことだ。

前年、巨人が一場靖弘に食事代・交通費・小遣いなどとして数回にわたり総額約200万円の現金を渡していたことを公表し、渡邊恒雄会長などが引責辞任している。

さらに一場は横浜、阪神、広島からも金銭授受があったことがわかり、関係者が処分されている。
以後はこうした「裏金」は「あってはならない」とされたのだ。

巨人の反論は、契約の事実関係を争ったわけではなく、この事実が「2004年以前」のことであり、まだ容認されていた時期だ、というものだ。
当然、この時期であっても新人契約金の最高標準額を超える金銭を選手に与えることは禁じられていたが、「そういいながら、この時期まではみんな破っていたじゃないか」と言っているのである。「緩やかな目安」とは言いえて妙である。
「叩けば埃が出る球団は他にもあるぞ」というニュアンスもあろう。

ポイントは2点だと思う。

1つは、2004年の事件が発覚した時点で「他にはこういう金銭授受はなかった」という発表があったこと。一場の事件を「唯一の例」として、他を不問に付したのだが、実際はこれだけの事例があった、形式こそ違え、入団契約金とは別に金を受け取っていた選手がいたということだ。公的企業としての球団の社会性が問われる可能性がある。

もう1点は、一場への裏金が総額で500万円程度だったのに対し、今回発覚した金額は阿部慎之介への10億円を筆頭に桁違いの金額だったこと。200倍である。
一場への金銭授受を立小便程度だとすると、阿部は糞尿をバケツでぶちまけたようなインパクトがある(立花隆さん風表現)。衝撃度は非常に大きい。

この種の裏金は、週刊誌がたびたび報道してきたが、新聞系メディアはほとんど無視してきた。一部記者は知悉していたかと思われる。ニュースというより、暴露に近いと思う。

他のマスコミは例によって、巨人ネタだけに静観を装っているが、大事件に発展する可能性はある。今後に注目したい。