なかなかGSPとの夢の対戦が実現しないニック・ディアズ。カーロス・コンディットも簡単な相手ではない

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4日(土・現地時間)にラスベガスのマンダレイベイ・イベントセンターで開催されるUFC143「Diaz vsCondit」。メインは暫定世界ウェルター級王座決定戦、ニック・ディアズ×カーロス・コンディット戦――GSPの負傷に翻弄された二人の戦いとなる。

UFCカムバックを果たした、ストライクフォース世界ウェルター級王者のニック。即UFC世界ウェルター級王座挑戦が決定したが、記者会見をすっぽかしことで挑戦権を剥奪され、その代役として、10月にGSPへの挑戦が決まったのがコンディットだった。しかし、王者の負傷によりコンディットの世界戦は延期され、しかも本来彼が戦う予定だったBJ・ペンに完勝したニックが挑戦権までかっさらってしまう。

そんな逆境にも負けず、スーパーボール・ウィークエンドにはジョシュ・コスチェックとの対戦が決まっていたコンディットだったが、昨年12月に入りGSPが再び負傷し、復帰まで10カ月はかかる見込みであることが判明。暫定世界王座決定戦ながら、コンディットがディアズと対戦することとなった。

ニックには会見ドタキャンという非があるが、10月に対BJ→対GSPと世界戦→延期→世界戦消滅=2月4日に対コスチェック→対ニックで暫定世界戦――と大河を流れる一葉のように、UFCタイトル戦線で翻弄され続けたコンディットは、気の毒というほかない。

それでも、この試合は彼のキャリアにとって非常に大切な一戦、集中できているに違いない。アップライトの構えから、パンチやヒザ蹴りを駆使するコンディットだが、ガードの甘さは常に指摘されてきた。ジェイク・エレンバーガーやローリー・マクドナルド戦では、よもやTKO負けというシーンも見せている。

ガードやタートルポジションで、殴られ続けながら、ほんのわずかなチャンスにエルボーやパウンドを入れて、大逆転勝利を手にしてはいるものの、ニックは相手の打撃でダメージを受けると、パンチで仕留めるだけでなく、絞め技や関節技に移行できるファイターなので、先手を取られることは避けたい。

と同時に、ニックにしても、ストライクフォース時代にはエヴァンゲリスタ・サイボーグ、そしてポール・デイリー戦と、序盤の打撃戦で大苦戦を強いられたこともある。ある意味、スロースターターで、ダメージの回復力が抜群、さらに精神的な強さという共通点を持つ。

だからこそ、この試合で勝てばGSPとの統一戦が控えている両者、最初にチャンスを得た勢いのまま、仕留め切る強さが必要だ。ドラマチックな逆転勝利よりも、ファーストチャンスを得たファイターのフィニッシュ能力が問われることとなる。
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