バイエルン・ミュンヘンFWルカ・トーニが、ローマへ行くことを選んだ。ドイツワールドカップ優勝メンバーの一員である彼が、バイエルンでの冒険に終止符を打ったのは、すでに明らかなことだ。ルイス・ファン・ハール監督とはあまりに衝突しており、トーニがまだドイツに残るだろうと想像するには、あまりにも公での騒動がありすぎた。バイエルンの幹部は「トーニをプレゼントする用意はある」と放出を明言している。

国外の競争相手(ハンブルガーSV、アトレティコ・マドリー、ディナモ・モスクワなど)を制し、トーニを獲得するために、ローマには3つのカードがあった。ワールドカップに出たいという本人の希望と、母国イタリアへの復帰希望、そして最後が、フランチェスコ・トッティと再びコンビを組むという魅力だ。

トーニとファン・ハール監督の関係に暗雲が立ち込め始めた昨夏から、すでにトッティはトーニに電話で“プレッシャー”をかけている。そして、最近でも水面下でコンタクトは続いており、トーニはローマへレンタル移籍することを選んだようだ。

そのために、おそらくトーニはシーズン終了までの半年間で得るはずだった300万ユーロ(約4億円)の一部を諦めることになる。トーニが目標とするのは、ワールドカップ出場とローマでの契約延長(買い取り)だ。

確実なことは2つ。ローマのクラウディオ・ラニエリ監督がフィジカルの強い重量級センターFWの獲得を強く望んでいるということ、そしてスタメンの座が保証されるわけではないということ。これは、トーニとトッティ、ミルコ・ヴチニッチの3トップという“ぜい沢”を、ローマが常に駆使するわけにはいかないからだ。