上木彩矢(撮影:野原誠治)

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 昨年3月にシングル「Communication Break」でデビュー。ビジュアルイメージのみならずその歌唱力の高さから一躍、注目の女性ロックボーカリストとして台頭した上木彩矢。即日完売となったワンマンライブを経て成長を遂げ、今年7月には相武紗季の出演するCMイメージソング「明日のために」を手掛けて話題を呼んだ彼女が、今月10日に2作目のアルバム「明日のために〜Forever More〜」を発表した。

――ファーストアルバム「Secret Code」を作り終えた後に、次のアルバムでやりたいと思っていたことはありましたか?

上木(以降、上木彩矢):スクラッチの音や、デジタル音みたいなものが入っている、ちょっとだけポップ寄りな音楽をやりたいと思っていたので、それが今回のアルバムに詰まっています。ちょっと縦ノリだった音楽に少しだけ横ノリの要素を入れたり、音色や歌い方だったり、そういうことを少し発掘したいなと思っていたので。

――「Secret Code」には「白と黒」というコンセプトがありましたが、今回は?

上木:今回は全く無いですね。コンセプトもメイン曲も作らず、出来上がったものを集めて、アルバムにした感じです。

――敢えてコンセプトを付けるとしたら、それぞれの曲に共通していることは何ですか?

上木:「明日のために」とか、そういう活力になることだと思いますね。日常のいいことも悪いことも、悪いことがあっても明日のために頑張りたいし、いいことがあればもっと明日のためにポジティブにいけるし。全てが「明日のために」というタイトル通りですね。

――そのタイトルはどのようにして決まったのですか?

上木:「明日のために」は6枚目のシングルだったんですけど、シングルを作っている時からアルバムも制作していたこともあってか、その時からもう気持ちの向かっている方向が同じで、自分の中ではアルバムのタイトルも「明日のために」と無条件に決まっていたので、そのまま使いました。

――「明日のために」の後に「〜Forever More〜」と続いているのは、この2曲が物語としても繋がっているのかな?と思ったのですが。

上木:そうですね。別に「Forever More」という曲がメイン曲というわけでもないんですけど、物語として繋がるというよりか、根底にあった「明日のために」から発展して、もともと自分の中で思い描いていたものと言葉の意味合いが合ったというのが一番の理由かな。でも、まぁ、なんとなくというのが実は大きいかも(笑)。「響きもいいじゃん!『明日のために 〜Forever More〜』でいいよー!」みたいな軽いノリで(笑)。

――「Secret Code」の時は潔くシングル3曲をリリース順に頭に持ってきていましたが、今回の曲順はどのように決めましたか?

上木:一番最後の作業だったんですけど、意外にも早かったです。タイトルの響きや楽曲的なつながりもあって、1曲ずつ、タイトルをカードみたいにして並べて、ああだこうだ言った挙げ句、パズルピースのようにポンポンと入れ替えて決めました。曲を順々に聴いていって「合うじゃん!」みたいな(笑)。

――一番古い曲と、最近に作った曲はどれですか?

上木:シングルも含めたら、去年11月にリリースした4thの「眠っていた気持ち 眠っていたココロ」が一番古くて、一番最近は「夢の中にまで」ですね。

――確かに「眠っていた気持ち 眠っていたココロ」は、今作の中では若干異質と言うか、前作「Secret Code」からの流れを強く感じましたね。歪んだギターが占めていたハードな前作から、今作ではミドルテンポでライトな曲が増え、歌い方も肩の力が抜けた印象を受けました。

上木:そうですね。歌い方も含め色々と、自分の楽曲のカテゴリとかも引き出しをちょっと増やそうと思っていました。

――今回、苦労したのはどんな所ですか?

上木:毎回の苦労だけど、少ない時間でやらなきゃいけないというのは大変でした。もうちょっと前倒しに作り始められればとは思うんですけど。でも、去年はよく「アレはしんどかった」とか言っていたと思うんですけど、今年は制作自体をすごく楽しんでやっていましたね。

――制作作業がスムーズになったと実感する部分はありますか?

上木:このアルバムから、ディレクターを自分でやらせてもらえることになって。やる仕事は結構増えたんですけど、その分こだわってやれるようになっていますね。

――そういう意味ではストレス無く。

上木:うん。ストレス溜まりそうになったら、ヤメちゃうから。「ハイ休憩!また休憩!」みたいな(笑)。

――休憩時間にはどんなことを?

上木:みんなでニンテンドーDSの「マリオカート」を、私が勝つまでやる。

――勝ち逃げは許さないと。

上木:そう。余計に機嫌が悪くなる(笑)。