インタビュー:上木彩矢「どれか一曲を好きになってくれればいい」
――衣装やメイクも自分でやられているので、やはりジャケットやブックレットなどのアートワークに対するこだわりも強いですか?
上木:意見言いまくりです!こだわりは、何に対してもありますね。――今回、特にこだわった所は?
上木:写真自体は、素の素材を生かしたいなと思って。普通に街中に出て行って、アコギを片手にみたいな。そういうストリート的なモノを意識して撮りましたね。――以前に、恋愛の曲は実体験ではないと言われていましたが、実体験を書かないのは何故ですか?
上木:実体験を書いても全然面白くない…。特別な感情が入っているのがイヤ(笑)。あくまで空想で話を作るから面白いわけであって、事実を書くとその曲だけドンヨリするじゃないですか。良いことだったらいいけど、悪いことだったらねぇ…あまり良くないので、書かないです。――「自分のことを理解して欲しい」と思って歌詞を書かれるアーティストの方も中にはいますが。
上木:そういう風に自分のことを曝け出して書けるということはすごいと思いますね。でも、私には書けません。――自分とは違う主人公を設定する方が書きやすい?
上木:そうですね。私の場合は基本、何かを想像するのが好きなので。実体験を書いてしまったらね、私の楽しみがなくなっちゃう。歌詞を作っている時でも歌入れしている時でも、モヤモヤしている方が楽しいんですよ(笑)。――でも実体験を書かないからといって、全く自分に実感のない言葉は書かないというか、書けないですよね。
上木:そうですね。――前向きな言葉やメッセージ性のある曲は、聴く人に対してだけでなく、上木さん自身に向かって言っている部分もあるのかな?と思ったのですが。
上木:それはありますね。「星の降る夜には」という曲は自分自身に、自問自答して書いた曲なんです。――ボーナストラックの「A constellation ~2007」は、インディーズ時代の曲が原曲ですが、今作に入れようと思ったのは何故ですか?
上木:これは初めて歌詞を書いて歌った曲で、昔からずっと大切にして歌ってきたので。2007年のセカンドアルバムに、2007年バージョンのセルフカバーした曲を入れて、5年後とか10年後に振り返ってみたいなという。これは私の自己満足の世界なので、敢えて14曲入りじゃなくボーナストラックにさせてもらったんです。――インディーズ時代と比べて、変化を実感する部分はありますか?
上木:意外にも、声がハスキーになってましたね(笑)。でも、キーは変わらず歌えたということがもう何よりの喜びです。超嬉しかった!――このアルバムを聴いた人に、どんな風に受け止めてもらえたらいいと思いますか。
上木:今回メイン曲を作らなかったのは、聴いてくれる人が、この中のどれか一曲を好きになってくれればいいと思っているから。それがその人達それぞれのメイン曲なので。もちろん全部好きになってもらえれば嬉しいけど、全部聴いた上で「コレ!」というのを決めてもらいたい。何か一曲だけでも「いいな」と思ってくれるものがあって、それをヘビーローテーションしてもらえればすごくいいなと思います。