先日、約10ヶ月ぶりの公式戦復帰を果たしたニューカッスルのFWマイケル・オーウェンに移籍の可能性が浮上している。

 昨年のドイツ・ワールドカップで右足靭帯を断裂したオーウェンは、4月30日のレディング戦で復帰したばかり。しかし、英国紙『タイムズ』が報じたところによると、オーウェンの移籍金が900万ポンド(約21億円)と比較的安価であることから、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、リバプール、アーセナルのプレミア4強クラブが獲得に動く可能性があるというのだ。

 この報道に対して、ニューカッスルのフレディ・シェパード会長は激怒。『デイリー・エキスプレス』紙の取材に応えたシェパードは、2005年の加入以来、2シーズンでわずか13試合の出場に留まっているストライカーに、クラブへの忠誠心を問いただしている。

「このような報道は、ファンに不信感を与えるだろう。特に、この2年間の経緯を考えるとね。マイケルの周辺にいる人間か、彼の獲得を狙うクラブのどちらかが意図的に流したニュースとしか考えられない。我がクラブが発信元でないことは断言できる。マイケルは移籍1年目もケガの問題を抱えていたし、今シーズンに至っては、事実上チームへの貢献度はゼロだ。そんな彼を、我々は2年間見守ってきた。我々には、見返りを求める権利があるはずだ。また、リスクを犯してまで、彼のような大ケガを負った選手を獲得するクラブはないだろう。特に、ビッグクラブはね。彼に求められているのは、ケガから完全に復帰し、再び離脱することはないと証明することだ」

 不快感を募らせたシャパード会長のコメントに対し、当事者のオーウェンは現時点で何のコメントも発表していない。昨日、イングランドB代表への選出が発表されたばかりのオーウェン。今後、会長との確執が深まるようであれば、完全復活を目指す“ワンダーボーイ”が、新たなユニホームを纏って新シーズンを迎える可能性もある。