国内初の家庭向けPLCアダプター「BL-PA100KT」

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「電源コンセントで、インターネットに接続できる」、そんな夢の通信システムがPLCだ。
PLC(Power Line Communications)は、高速電力線通信とも呼ばれる新しいネットワークで、家庭の電源コンセントに専用のPLCアダプターをつなぐだけで、電気配線をLANがわりに利用できるというシステム。これなら家じゅうどこでも簡単に、高速なネットワークでインターネット利用ができるため、次世代ホームネットワークとして期待がされている技術だ。

そんな国内初の家庭向けPLCアダプター「BL-PA100KT」が、昨年12月9日、松下電器産業から発売された。価格はオープンプライスで、実売価格は2機1組で20,000円前後。

国内初の家庭向けPLCアダプター「BL-PA100KT」

■LANケーブル不要の快適ネットワーク

PLCでは、専用のPLCアダプターを導入することにより、家庭内の電気配線をLANケーブルのように使用できる。ADSLや光などで、屋内までインターネット回線が引かれていれば、機器をコンセントにつなぐだけで、インターネットの利用が可能になる。
コンセントさえ部屋にあるなら、インターネット利用のため新たにLANケーブルを引く必要はないのだ。

■コンパクトなPLCの外観

「BL-PA100KT」は、ルーター側に接続する「マスター」とパソコン側に接続する「ターミナルアダプター」の2機が1組になっているスタートパック。
コンパクトで軽量なので、パソコン周辺の空きスペースに置くことができる。

●左右側面
サイズは幅121mm×高さ70mm×奥行40mmとコンパクトで、重量は約240gと軽量。

左側面右側面

●前面と背面
前面には、接続状況を示すランプを搭載。背面には電源プラグ、LANケーブルを接続できる。「マスター」と「ターミナルアダプター」の切り替えスイッチも用意される。

前面背面

●上面と下面
上面には、速度測定などの際に押す「SETUP」ボタンが搭載されている。

上面下面

PLCの接続


PLCのマスターをルーターと接続し、ターミナルアダプターをパソコンと接続してみよう。らかじめ、マスターとターミナルアダプター間の通信や、暗号化を設定されているので、いずれもLANケーブルでつなぐだけの作業だ。特別な設定は不要で、驚くほど簡単だ。

●マスター側の接続
インターネットに接続可能なルーターとマスターをLANケーブルで接続。電源プラグをコンセントに接続する。なお、安定した接続のため、壁のコンセントに直接つなぐことが推奨される。


●ターミナルアダプター側の接続
パソコンとターミナルアダプターをLANケーブルで接続。電源プラグをコンセントに接続する。


●スイッチを確認
マスターとターミナルアダプターはスイッチで切り替え可能。接続前に確認しておこう。


●インターネットに接続
特別な設定をすることなく、パソコンを起動するだけで、インターネットに接続できた。


■接続は簡単 速度も快適


「ターミナルアダプター」は追加できるし、ハブで分岐することも可能なので、部屋ごとにターミナルアダプターを用意すれば、家中どこからでもインターネット接続できる。設定で戸惑うこともまずないだろう。
PLCの理論上の最大通信速度は190Mbps。実際にはストリーミング配信で最大80Mbps、メールの送受信などで最大55Mbpsとされている。通常のネットワーク利用であれば、まったく問題なく十分な速度を得ることができる。実際、インターネットのサービスを利用中の使用感も、LANケーブル(100BASE-TX)による接続の場合とまったく同様だった。

LANケーブル不要なのがメリットだが、現在のところ、パソコン用電源とPLCの電源を2口確保する必要がある。今後PLC機能を内蔵するパソコンが登場したら、より便利に使うことができそうだ。

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HD-PLC(BL-PA100KT)
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編集部:池田利夫(ジャムハウス)
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