「我々にとってはいい勝点につながった」と振り返る高木監督。(C)J.LEAGUE PHOTO

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[J2リーグ11節]千葉0-0大宮/4月28日(日)/フクダ電子アリーナ
 
 4月28日、平成最後のJリーグが各地で行なわれ、J2リーグ11節、平成最後の“首都圏バトル5”(編集部注:J2に所属する千葉、東京V、町田、横浜FC、大宮の首都圏5クラブによる戦いのこと)となった千葉対大宮は、0−0のスコアレスに終わった。
 
 GW2日目となる今節、フクダ電子アリーナには今シーズン最多となる13,656人が来場。大宮のゴール裏は一帯をオレンジ色に埋め尽くすサポーターが駆けつけ、アウェー戦とは感じさせないほどの熱い声援で選手たちを鼓舞した。
 
 この試合に勝てば首位浮上の可能性がある大宮と、19位(10節終了時点)と低迷し勝点を取らないわけにはいかない千葉、ともにどうしても勝点が欲しい両チームは白熱の一戦を繰り広げた。
 
 開始早々の前半1分、FWフアンマ・デルガドとのワンツーで先にシュートを放ったのは大宮のFW大前元紀。これは惜しくもゴールポスト右に逸れてしまう。するとわずか3分後、今度は千葉に得点チャンスが訪れ、左CKの流れからFW工藤浩平がシュートを放つ。しかしゴールバーに嫌われ、混戦からのこぼれ球にDF増嶋竜也が反応するが、決め切ることができなかった。
 
 試合を通してシュートは千葉が7本、大宮が14本と大宮が優勢で試合を進めたが、どちらが先制してもおかしくない展開で、ホームの千葉は我慢強い守備で耐え、何度も好機があった大宮は今ひとつ決め切ることができなかった。
 

 大宮の高木琢也監督は「ここがアウェーの地だと忘れるぐらい」と、選手たちのアグレッシブなプレーとサポーターの声援が後押しとなったエキサイティングな試合について、「勝点3は取れなかったんですけど……」と述べつつも、「アウェーで貴重という言葉はあまりふさわしくないかなと思いますけど、我々にとってはいい勝点につながったと思っています」と振り返った。
 
 大宮のDF河本裕之の負傷などより、後半のアディショナルタイムは7分という長い時間が取られ、両チームがパワープレーを行なう白熱の展開となったが、そうした長い緊張の時間の中で、「集中を切らさずに戦えたこと、(相手に)得点を与えなかったこと、我々も(得点を)取りに行けたことは選手たちの成長、または次のゲームへつなげられる部分」とこの試合を評価し、「この7分間のロスタイムを非常によく頑張ってくれた」と選手たちを労った。
 
 今節の勝点1に対し、「プラス2を取れるように、次の試合に向けて努力していきたい」と締めくくった高木監督。次節は3試合ぶりのホームゲームとなる。今回アウェーの地で好ゲームを見せた大宮が、新元号“令和”となってから初めての一戦でどのような戦いを見せてくれるのか、期待したい。
 
取材・文●佐藤香菜(サッカーダイジェスト編集部)