【レオパレス問題】追及し続けるガイア、モデルルーム案内する深山社長を放送し「エグい」と話題に
3月26日放送の「ガイアの夜明け」(テレビ東京)は、賃貸アパート大手のレオパレス21が、なぜ施工不良を起こしたのか暴こうとするものだった。
レオパレスの深山英世社長は2月7日に謝罪会見を行い、界壁不備などの施工不良が全国33都道府県、1324棟に及ぶことを公表。改修工事のため入居者は転居を求められ、1万4000人以上に影響を及ぼしている。
問題が発覚する前、テレビ東京はレオパレス21本社で深山英世社長に独占取材していた。社長自らモデルルームを案内する皮肉な映像が流れると、ネットで「エグい」「面白すぎる」などと話題になった。(文:okei)
建築材料の性能を語る「深山社長の説明は何だったのか」
施工不良問題は、まず天井裏に防火・防音のための「界壁」が無いことが指摘されたが、外壁の断熱材にも問題があった。
問題発覚の前年(2017年)12月、深山社長はガイア取材班に自らモデルルームで建築材料の説明をしていた。社長は壁の部材をコンコンと叩き、「これがパンパンって高い音が出ると下に響く」などと説明。床の防音や壁の耐火性能へのこだわりを語っている。
「音って問題をどうやってクリアしていくか、ここ10年やってきた ことなんです」
「(壁材は)当然ながら"グラスウール"で、耐火性の問題に対しても最大限の配慮を払っています」
グラスウールとは遮音性の高い断熱材だ。しかし実際にはグラスウールではなく「発泡ウレタン」が使われていたことを、レオパレスは先月の会見で公表している。建築基準法の基準を満たしていない可能性があるという。
番組では「深山社長の説明は何だったのか」とナレーションが流れたが、なんともシュールなこの場面は皮肉としか思えない。
国土交通省は夏までに改修工事を終えるように指示、他の会社にも同様のことがないかチェックするというが、ネット上では「(検査した)国は何をやっているのか」といった批判も散見される。
施工会社「渡された図面に界壁は無かった」「だから当然つくらない」
では、一連の施工不良はなぜ起こったのか。第三者委員会の中間報告には、施工不良が「意図をもって組織的に行われた」可能性や、仕様と異なる部材が使われていたのは「深山祐助氏の指示」と記されていた。
これについて、3月18日の緊急会見でレオパレス側は「今後の調査の結果を待って(答える)」と言うばかり。指示があったと認めるには至らなかった。
同社は昨年5月の会見で、界壁をつけなかった要因を「施工業者の誤解・認識不足」などと主張し、工事業者に責任転嫁。しかし施工した会社は番組の取材に、渡された図面に界壁は無かったと証言している。
「建築基準法上では(界壁を)作らなくてはいけないが、図面上には載ってない。だから施工業者としては当然作らない。(図面に)あれば、施工業者のほうで手を抜くことはない」
また、2006年以前に工事した別の業者は、当時は中国で部材を作ってきて仕上げたので天井裏がふさがっていて入れなかったという。
「それで(界壁を)やらなくていいってことになって施工しなかった」
界壁がなくていいのか確認すると、「やらなくても『(検査に)通ることになっている』という話だった」と、当時を振り返っていた。「界壁なしでOK」の勝手な基準がまかり通っていたのだ。
古い物件ばかりが問題かといえばそうでもなく、2001年から全国に7300棟以上建てられたハイブリッドシリーズに関しても、「検査の必要なし」「界壁の必要なし」とレオパレス側が言い張りオーナーは不安が募るばかり。番組では、他の一級建築士や国交省への問い合わせでレオパレス側の説明を看破するなど、追及の勢いは止まらなかった。ツイッターには「テレ東はまだまだネタを持っていそう」など、期待の声が上がっている。