2018年9月4日に四国・近畿に上陸して大きな被害を残した台風21号。関西国際空港では最大瞬間風速58.1m/sを記録し、タンカー『宝運丸』が連絡橋に衝突。移動手段がなくなり一時約5000人が孤立。翌日に神戸空港への高速船および被害を免れた側の橋を使ったバスで移動しています。

タンカーの乗組員11人は、海上保安庁のヘリなどで全員救出。その模様は首相官邸の『Instagram』などのSNSで発信されています。

船舶追跡データベース『MarineTraffic』を見ると、沖合に停泊していた『宝運丸』が北へ流されて、橋にぶつかるまでの航跡を追うことができます。同サイトによると、標準貨物船換算トン数は2591トンで、載貨重量トン数は3881トン。所有している日之出海運のサイトでは、主に岡山の水島製油所から関西国際空港まで航空ジェット燃料を一回に約450万リットル運んでいると紹介されています。国内向けとは一概に比較できませんが、海外航路に就航しているタンカーには30万重量トン以上の船もあり、大型とはいえません。

今回の事故で、テレビの番組などでは「操船ミスはなかったのか」「停泊は妥当だったのか」という議論が持ち上がっています。これに対して、貨物船の航海士だという『Twitter』ユーザーはこのようなツイートを投稿。

関空のタンカーについて
耳かっぽじってよく聞けマスコミのボケども
台風の時は俺ら船員は休まずちゃんと当直してるわ
船橋を無人になんかせんよ
それだけ自然の力は強い人間の力じゃどうもならん。
だから船員を批判するのはやめてくれ。

「タンカーも被害者」「天災には勝てない」という反応が多数寄せられていたほか、「犠牲者がいなくてよかった」という安堵の声も上がっていました。今後は空港機能の早期復旧が望まれますが、事故の犯人探しが加熱することも懸念されます。

画像は『MarineTraffic』より
https://www.marinetraffic.com/ [リンク]

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