開いた口が塞がりません!「立ち会い出産」のとき旦那がとった行動とは
先日、長男が5歳の誕生日を迎え成長をしみじみと感じていたら、彼を産んだ際の立ち会い出産のことも思い出しました。
私が元気がないとき、バカげた冗談を言って気分を和ませようとする旦那。私をよりイラつかせる結果になろうとも、それが優しさだと信じて疑わない旦那。
そんな能天気でお調子者で空気読まない旦那との立ち会い出産は、こんな感じでした。
陣痛のうめき声に、旦那は
陣痛の間隔が10分を切るころから、痛みを無言でやり過ごすことができなくなった私。陣痛のたびに「あぁ」とか「うぅ」とか、声が漏れていました。そのときに腰をさすっていた旦那、何を思ったのか、
うめき声の「あぁ!」の後に
「よいしょー」
「うぅ!」の後に
「こらしょー」。
うめき声に合いの手を入れてきたのです!
数回くり返され、私のイライラは限界。口をきくのもしんどくて、足元にいた旦那にひと蹴り入れて、黙らせました。
陣痛の叫びに、旦那は
30時間超えの陣痛を経てやっと分娩室に行くことになったとき、降りてくる赤ちゃんに膀胱を圧迫され、モーレツに尿意を感じた私。「じゃぁ、お手洗いに行っておきますか」となり、助産師さんにトイレに連れて行ってもらいました。
陣痛の間隔はかなり短くなっていて、いざ便座に座ると、赤ちゃんを出してしまいたい衝動に。あまりの痛みに、外で待っている助産師さんに「赤ちゃんが出てきそうなんですけど!」と口走りました。
そこで返ってきたのは、
「あの〜、もうちょっと我慢してもらえますぅ?」
わが耳を疑いました。だって、それはどう考えても助産師さんの声じゃない。助産師さんの声をマネた私の旦那の声だったからー。
「この男、どうしてくれようか……」かすかな殺意すら覚えた私。
トイレから出た瞬間に目に入った旦那の”ドヤ顔”と、「バカ!アホ!」と怒鳴りたかったのに、出産直前の激しすぎる陣痛が、私に何もさせてくれなかった無念は、今でも忘れません。
出産待ちの大変さに、旦那は
出産から半年後。旦那の実家に遊びに行っていたときのことです。「もう時効だ」と勝手に判断したらしい夫が、ある告白を始めました。
出産を待つ中、夕食をとるため陣痛室から姿を消した旦那はコンビニへ。そこで、なんと缶ビールを購入!
誰もいない陣痛室前のイスに座り、おもむろに缶ビールのプルタブを引いて…その瞬間に響いた私の陣痛の悲鳴。旦那は気がとがめたらしく、泣く泣くビールを断念しました。
しかし旦那はもう一度コンビニに走ります。次に買ったのは、ノンアルコールビール!!
こちらはきちんと飲み干され、何事もなかったかのように陣痛室へ戻る旦那でありました。
…そのことを旦那は「ノンアルコールで乗り切ったオレ、すごい!」と、私と義母の前でアピール、なぜかそれを褒めたたえる義母。
私は開いた口が塞がりませんでした。間もなく赤ちゃんとのご対面なのに、酒か!
義母の前ではいつも猫かぶりの私は、帰る道中、旦那をなじりたおしたのでした。
でも、その優しさに免じて
「旦那は私の出産に遊びにきていたのかしら?」そんな思いすら浮かんできます。でも……自分に甘くて、芸人みたいに調子いいヤツだけど、旦那のささやかな名誉のために書き加えれば、優しいヤツでもあります。
仕事は多忙で残業漬けですが、家族のためとあらば「仕事は調整できるから」と、潔く、休んだり早退したりしてくれたことが幾度もありました。
長男の妊娠中に私が切迫早産になったときも、次男が喘息の発作で入院となったときも、次男が熱性けいれんで救急車で運ばれたときも、はたまた、つい先日、母と子そろって胃腸炎で嘔吐・下痢をくり返したときも。惜しげもなく、いったん仕事の方を手放してくれた旦那。
場合によっては、闇に放りこまれた気分になる育児の中に、けっして私を独りにしてこなかった旦那。
だから……「ふざけた立ち合い出産だったけど、その優しさに免じてチャラにしてあげる!」心の中で今はそう思っています。
ま、私の出産の方が百万倍!!大変だったけどね!!!
文・編集部 イラスト・マメ美
私が元気がないとき、バカげた冗談を言って気分を和ませようとする旦那。私をよりイラつかせる結果になろうとも、それが優しさだと信じて疑わない旦那。
そんな能天気でお調子者で空気読まない旦那との立ち会い出産は、こんな感じでした。
陣痛のうめき声に、旦那は
陣痛の間隔が10分を切るころから、痛みを無言でやり過ごすことができなくなった私。陣痛のたびに「あぁ」とか「うぅ」とか、声が漏れていました。そのときに腰をさすっていた旦那、何を思ったのか、
「よいしょー」
「うぅ!」の後に
「こらしょー」。
うめき声に合いの手を入れてきたのです!
数回くり返され、私のイライラは限界。口をきくのもしんどくて、足元にいた旦那にひと蹴り入れて、黙らせました。
陣痛の叫びに、旦那は
30時間超えの陣痛を経てやっと分娩室に行くことになったとき、降りてくる赤ちゃんに膀胱を圧迫され、モーレツに尿意を感じた私。「じゃぁ、お手洗いに行っておきますか」となり、助産師さんにトイレに連れて行ってもらいました。
陣痛の間隔はかなり短くなっていて、いざ便座に座ると、赤ちゃんを出してしまいたい衝動に。あまりの痛みに、外で待っている助産師さんに「赤ちゃんが出てきそうなんですけど!」と口走りました。
そこで返ってきたのは、
「あの〜、もうちょっと我慢してもらえますぅ?」
わが耳を疑いました。だって、それはどう考えても助産師さんの声じゃない。助産師さんの声をマネた私の旦那の声だったからー。
「この男、どうしてくれようか……」かすかな殺意すら覚えた私。
トイレから出た瞬間に目に入った旦那の”ドヤ顔”と、「バカ!アホ!」と怒鳴りたかったのに、出産直前の激しすぎる陣痛が、私に何もさせてくれなかった無念は、今でも忘れません。
出産待ちの大変さに、旦那は
出産から半年後。旦那の実家に遊びに行っていたときのことです。「もう時効だ」と勝手に判断したらしい夫が、ある告白を始めました。
出産を待つ中、夕食をとるため陣痛室から姿を消した旦那はコンビニへ。そこで、なんと缶ビールを購入!
誰もいない陣痛室前のイスに座り、おもむろに缶ビールのプルタブを引いて…その瞬間に響いた私の陣痛の悲鳴。旦那は気がとがめたらしく、泣く泣くビールを断念しました。
しかし旦那はもう一度コンビニに走ります。次に買ったのは、ノンアルコールビール!!
こちらはきちんと飲み干され、何事もなかったかのように陣痛室へ戻る旦那でありました。
…そのことを旦那は「ノンアルコールで乗り切ったオレ、すごい!」と、私と義母の前でアピール、なぜかそれを褒めたたえる義母。
私は開いた口が塞がりませんでした。間もなく赤ちゃんとのご対面なのに、酒か!
義母の前ではいつも猫かぶりの私は、帰る道中、旦那をなじりたおしたのでした。
でも、その優しさに免じて
「旦那は私の出産に遊びにきていたのかしら?」そんな思いすら浮かんできます。でも……自分に甘くて、芸人みたいに調子いいヤツだけど、旦那のささやかな名誉のために書き加えれば、優しいヤツでもあります。
仕事は多忙で残業漬けですが、家族のためとあらば「仕事は調整できるから」と、潔く、休んだり早退したりしてくれたことが幾度もありました。
長男の妊娠中に私が切迫早産になったときも、次男が喘息の発作で入院となったときも、次男が熱性けいれんで救急車で運ばれたときも、はたまた、つい先日、母と子そろって胃腸炎で嘔吐・下痢をくり返したときも。惜しげもなく、いったん仕事の方を手放してくれた旦那。
場合によっては、闇に放りこまれた気分になる育児の中に、けっして私を独りにしてこなかった旦那。
だから……「ふざけた立ち合い出産だったけど、その優しさに免じてチャラにしてあげる!」心の中で今はそう思っています。
ま、私の出産の方が百万倍!!大変だったけどね!!!
文・編集部 イラスト・マメ美