元ディーラーの「展示車」、「試乗車」、あるいは「レンタカー」。そうした履歴をもつクルマを中古車として買うのはお得になるのでしょうか。それぞれどのような特徴の違いがあるのでしょうか。

状態と価格、ふたつのメリットがある元「試乗車」

 中古車市場には通常の中古車のほかにも、もともとディーラーで「試乗車」として使われていたクルマ、ディーラーのショールームなどで「展示車」として置かれていたクルマ、あるいは「レンタカー」として走っていたクルマなどが存在します。


中古車販売店のイメージ(画像:PIXTA)。

 いずれも比較的年式が新しいという共通点がありますが、それぞれどのような特徴や傾向があるでしょうか。関東、北陸、東北の各地方で23の中古車販売店を展開する、ケーユー(東京都町田市)に聞きました。

――元試乗車はどのような特徴があるのでしょうか?

 市場に出回るものは、新車登録から1年以内、走行距離5000km未満の車両がほとんどで、車検期間やメーカー保証も何年か残っています。ディーラーは顧客に良い印象を持ってもらえるように努力しますから、試乗車は「禁煙」で使用し、外装、内装ともにきれいにしていたものが多いはずです。

――元展示車の場合は、ほぼ新車に近い状態のクルマが多いのでしょうか?

 ディーラーで展示車として用いられていたクルマは、それなりの装備やオプションをつけているものが多いと思われます。ほとんど走行していないため、元試乗車よりは高い価格になるでしょう。
 
 また、中古車販売業者が扱うものはディーラーで一度登録され、その後オークションに出品されたもの、あるいは何らかのルートでディーラーから直接仕入れた「登録済未使用車」として販売されるケースが多いため、あくまで新車ではなく、車検期間も新車よりは短くなります。

元「レンタカー」のメリットはやはり「安さ」

――元レンタカーにはどんな特徴があるでしょうか?

 クルマのグレードは上級なものではなくベーシックなものが多く、カーナビなども純正品ではなく社外品になっているケースもあります。走行距離は、通常の中古車よりは長くなる傾向にあります。不特定多数の方が乗られるので、外装や内装の状態もそれに応じたものになるかと思います。中古車としての価格はそういった部分も加味することになりますので、年式の割に安めに感じられるものが多いのではないでしょうか。

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 ここで比較した3種類のなかでは、元「試乗車」が状態の良さと価格面のメリットを兼ね備えているといえそうです。元「試乗車」をお得に購入するコツについて、ケーユー担当者は「元『試乗車』は常に潤沢に存在するわけではなく、時おり出回る程度のものですので、見つけた場合はラッキーといえます。車種やグレード、色などが希望の範囲内であれば、検討するとよいでしょう」と話しています。

【図】中古「フィット」の元試乗車、元展示車、元レンタカー価格比較


条件の近い2017年式ホンダ「フィット」で比較した、元試乗車、元展示車、元レンタカーの中古価格と走行距離(2018年4月27日時点、乗りものニュース中古車検索より抜粋)。