NEC PCがモバイルノートパソコン「LAVIE Note Mobile」シリーズの新製品を発表!

NECパーソナルコンピュータ(以下、NEC PC)は16日、都内にて「2018年新商品発表会」を開催し、主に大学生をターゲットとした「LAVIE」ブランドのモバイルノートパソコン(PC)「LAVIE Note Mobile」シリーズ・9モデルを発表しました。1月18日より発売が開始されており価格はオープンプライス。店頭での実売価格は104,800円(税抜)からとなっています。

発表会では学生の生の声を拾い上げて開発したというLAVIE Note Mobileシリーズの解説に重点を置いたプレゼンが行われ、実際に開発に協力した大学生を招いてのトークセッションなども行われました。世間では「若者のパソコン離れ」が大きな話題となっている昨今ですが、そのような中でNEC PCが敢えて学生にターゲットを絞った製品開発をしてきた意図や背景とは一体何でしょうか。

今回発表会場に併設されたタッチ&トライコーナーにて実機に触れる機会がありましたので、プレゼンでの解説を交えながら写真とともにご紹介します。


本体カラーはグレイスブラックシルバー、グレイスホワイト、グレイスゴールドの3色


■日本の若者のトレンドに合わせた製品づくりを
本機は性能ごとに3モデルがラインナップされ、最上位モデルのNW550/KAシリーズは基本OSがWindows 10 Home、CPUが第7世代「Core i5-7Y54(1.20GHz/最大3.20GHz)」、ディスプレイが12.5型フルHD(1920×1080ドット)ワイドLED IPS液晶(ノングレア)、メインメモリー(RAM)が8GB、内蔵ストレージがSSD 約256GB、無線通信機能が無線LAN(IEEE802.11ac/a/b/g/n)およびBluetoothとなっており、更に本モデルのみWindows Helloに対応した指紋認証センサーが搭載されています。

ミドルモデルのNM350/KAシリーズは基本OSがWindows 10 Home、CPUが第7世代「Core m3-7Y30(1.00GHz/最大2.60GHz)」、ディスプレイが12.5型フルHD(1920×1080ドット)ワイドLED IPS液晶(ノングレア)、メインメモリー(RAM)が4GB、内蔵ストレージがSSD 約128GB、無線通信機能が無線LAN(IEEE802.11ac/a/b/g/n)およびBluetoothとなっています。

下位モデルのNM150/KAシリーズは基本OSがWindows 10 Home、CPUが「Celeron 3965Y(1.50GHz)」、ディスプレイが12.5型フルHD(1920×1080ドット)ワイドLED IPS液晶(ノングレア)、メインメモリー(RAM)が4GB、内蔵ストレージ(SSD)が約128GB、無線通信機能が無線LAN/Wi-Fi(IEEE802.11ac/a/b/g/n準拠)およびBluetoothとなっています。


下位モデルのNM150/KAG(末尾英字は本体カラー)


ウルトラモバイルを意識した基本性能は必要十分を満たす程度に抑えられており、この点についてはプレゼンの中で「学生のニーズを調査し、1kg以下の重量、A4サイズ、15万円以下程度の価格、そしてデザインの4つが重要なポイントだと判断した」と、同社執行役員の河島良輔氏は解説します。

そしてその4つのポイントを抑えたモバイルノートPCが市場にほとんど存在しない点も挙げ、「グローバル(海外)と日本では『Thin & Light(薄型軽量)』のトレンドが違う。日本での「薄さ」とはミリ単位だが海外では実はあまり重視されず、薄さでも日本で好まれる1kg以下ではなく1kg以上でも「軽い」の範囲」と語り、日本人のトレンドに合わせた製品づくりに商機があると主張しています。


NEC PC 執行役員 河島良輔氏



実際に大学生にPCを使用してもらい、その感想やアンケート調査から学生が求めるPCのニーズを詰めていった



プレゼン後半でも同社商品企画本部 エバンジェリストの森部浩至氏が登壇し、サイズ、重量、価格の3つが重要であると繰り返した


■薄型軽量と堅牢性を兼ね備えた筐体設計
実際に実機を持ってみると、重量約924g(NM550/KAシリーズのみ約925g)の本体は片手でも十分に持てる程度に軽く、コストを優先したモデルとしては非常に扱いやすい薄さに収まっています。


A4サイズのノートよりも一回り小さい



片手でも十分持ち歩ける絶妙な重量バランス



本体側面を楔形にしたことでカバンなどへ入れる際も引っかかりが少なく持ち歩きやすい



楔形の側面形状は使用時にもテーブルから浮き上がって見え、デザイン的な美しさにつながっている


単に薄くて軽いだけではなく筐体の剛性や堅牢性についても十分な耐久テストが行われており、本体を閉じた状態での天板の面耐圧は150gfをクリア。キーボードも打鍵感を重視した19mmフルピッチキーボードを採用したほか、打鍵時にキーボードがたわむのを抑えるため本体底面中央にゴム脚を配置し安定感を強化しています。

また最上位モデルでもファンレスを実現しており、大学の講義中や図書館など静かな場所でも使いやすい静音設計となっています。


打鍵感にこだわったというアイソレーションタイプのキーボード



最上位モデルでは右上の電源ボタンに指紋センサーが搭載される



USBやHDMIなどの端子類を全て背面にすることで側面デザインをすっきりとさせたほか、左右にスペースが少ない勉強机でもマウスやUSBメモリーなどを快適に使えるとしている


■今ではなく「未来」を見据えたチャレンジを
ここで疑問となるのは、冒頭でも述べたように「なぜ今『PC離れ』が進む学生に敢えてターゲットを絞った製品を開発したのか」という点です。

これについて河島氏は「日本の若者は海外と比べてもパソコンへの馴染みが飛び抜けて薄い。しかし大人になれば嫌でもパソコンに触れることになる。その際の「PCスキルに自信がない」という問題意識を上手く解消してあげたい」と述べて日本の学生のPCスキルの向上が急務である点を強調し、その学生にフォーカスした製品を作ることでできるだけ早くからPCスキルを身につけてもらいたいという思いを語りました。


「若者のパソコン離れ」を漫然と眺めているだけでは日本の将来はないという危機感がNEC PCを動かしたのかもしれない


本シリーズには全てMicrosoft Office Hone & Business 2016がプリインストールされており、購入してすぐに追加費用無しでWordやExcel、PowerPointなどが使えます。パワーオフ状態でもスマートフォン(スマホ)などの充電が行える「パワーオフUSB充電機能」にも対応しており、モバイルバッテリーとしても使える点は学生のニーズに即した機能と言えます。

現状の利益のみを追い求めるのであれば、モバイルノートPCの主戦場であるビジネス用途にフォーカスした性能や価格にした方が売れたかもしれません。しかし敢えて学生のニーズに特化させた新しいLAVIE Note Mobileシリーズは、現在よりも未来に目を向けた同社の新たなチャレンジの証かもしれません。


同社の挑戦の結果が分かるのは、もしかしたら5年後かもしれない


記事執筆:秋吉 健


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