ジョージ・H・W・ブッシュ氏(左)と息子のジョージ・W・ブッシュ氏(2013年4月25日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は16日、バージニア(Virginia)州で発生した白人至上主義者らと反対派との衝突事件について「双方に非がある」などとした自身の衝撃的な発言をめぐり、政界で巻き起こった批判の嵐にさらされた。この発言は与党共和党内でも不快感を集めており、既に混迷しているトランプ政権が転機を迎える可能性も出てきた。

 ともに共和党の元大統領であるジョージ・H・W・ブッシュ(George H.W. Bush)氏とジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)氏親子はトランプ氏の発言を受け、国民に向け「あらゆる形の人種的偏見を拒む」よう呼び掛ける声明を発表した。現政権の問題に関して両氏がコメントするのは異例。

 ブッシュ氏親子はトランプ氏の名指しは避けつつも、独立宣言を記したトーマス・ジェファーソン(Thomas Jefferson)大統領の言葉を引用し、すべての人間は「平等につくられた」ことを思い出すよう訴え、トランプ氏を暗に批判した。

 バージニア州シャーロッツビル(Charlottesville)で12日に起きた事件では、南北戦争(American Civil War)で南部連合(Confederate States of America)を指揮したロバート・E・ リー(Robert E. Lee)将軍の像の撤去をめぐり集会を開いた白人至上主義者らが、対抗デモを開いた人々と衝突。人種差別反対を訴えるデモ隊にナチス・ドイツ(Nazi)同調者とされる男(20)の車が突っ込み、女性1人が死亡、19人が負傷した。

 ニューヨーク(New York)のトランプタワー(Trump Tower)で15日に記者会見したトランプ氏は、事件に対する自身の姿勢をめぐる批判に激しく反論し、事件については「双方に非がある」と発言した。

 白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(KKK)」の元最高幹部デービッド・デューク(David Duke)氏は即座に、トランプ氏の「勇気」を称賛。一方で、共和・民主両党の議員の多くは言葉を失った。

 就任から200日を迎えたばかりのトランプ氏はこの発言により、越えてはならない一線を越えてしまったようだ。

 共和党全国委員会(Republican National Committee)のロンナ・ロムニー・マクダニエル(Ronna Romney McDaniel)委員長は米ABCニュース(ABC News)に対し、「シャーロッツビルで非があったのはKKKと白人至上主義者の方であることは明らかだ」と述べた。

 トランプ氏に対して常に批判的な共和党のリンゼー・グラム(Lindsey Graham)上院議員は、共和党員の多くが「(エーブラハム・)リンカーン(Abraham Lincoln)大統領も所属していた党(共和党)が世界中のデービッド・デュークのような人々を歓迎するという考えには反対する」と述べている。

 昨年トランプ氏と共和党の大統領候補指名を争ったオハイオ(Ohio)州のジョン・ケーシック(John Kasich)知事は米NBCテレビの番組「トゥデイ・ショー(Today Show)」に出演し、「彼(トランプ氏)はこの問題を修復し、共和党員は声を上げなければならない。単純明白なことだ」と述べた。
【翻訳編集】AFPBB News