「多くの選手を売却してきた」クロップ監督、移籍に際して重要視する事柄を語る

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 リヴァプールのブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョがクラブにトランスファー・リクエストを提出したことを受け、ユルゲン・クロップ監督がコメントを残している。地元紙『リヴァプール・エコー』が11日に報じた。

 過去にマインツとドルトムントの監督を務め、何度も上位クラブに選手を引き抜かれる経験をしてきたクロップ監督。イングランドでも同様の問題に直面することとなった智将は、自身の経験を交えながら同選手の去就問題について語っている。

「私は監督としてのキャリアを通じて多くの選手を売却しなければならなかった。条項がついていた場合もあったし、なかったケースもあった。レヴァンドフスキがバイエルンにフリーで移籍したときは難しかったね。数多くの事情があったんだ」と話すクロップ監督は、今まで行ってきた交渉の中には苦渋の決断も含まれていたことをうかがわせた。

 さらに、「私が唯一話せるのは、人生における全ての事柄にはタイミングがあるということだ。クラブは選手に対して十分に早い段階で希望を尋ねる。我々は常にそう試みてきたし、早めに選手の望みが伝えられれば我々の計画も切り替えることができただろう。だが、シーズンが開幕する直前のこのような時期ではそう上手くは行かないね。過去に話してきたとおり、クラブは誰よりも大きな存在なんだ。それが最も重要なことさ」とも語り、開幕直前になってトランスファー・リクエストが提出されたことに対する憂慮もにじませた。

 またしても難しい決断を迫られているクロップ監督だが、「ほとんどのクラブは『ところで、私たちはいい選手を保有しているんだけど彼を買う気はないかい?』なんて言ってはこないだろう?結局はタイミングなんだ。それがこの事象を理解する唯一の方法であり、私が話せるすべてでもある。全ての人間は自分自身の値段というものを持っているんじゃないかな。価格がつく正当なタイミングに限って、だがね。間違ったタイミングだったら?値段は無しだね」と最後はユーモアを交えつつ締めくくった。

 リヴァプールは12日にプレミアリーグ開幕戦でワトフォードと対戦するが、コウチーニョは背中の痛みによってこの試合を欠場すると報じられている。大黒柱の去就問題に揺れるリヴァプールだが、クロップ監督はドイツ時代の経験を糧にこの状況を乗り越えられるだろうか。