本当は灰色なのにイチゴが赤く見えてしまう錯視画像が話題沸騰中
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ちょうど2年前の2015年に「同じ服なのに人によって異なる色に見えるドレスの写真」が世界中で話題になりました。これは目の錯覚を利用した「錯視」の一種だったのですが、2017年2月末になってドレスとは異なる「赤色を使用していないのにイチゴが赤く見える錯視画像」がSNS上で話題になっています。
This Picture Has No Red Pixels-So Why Do The Strawberries Still Look Red? - Motherboard
https://motherboard.vice.com/en_us/article/this-picture-has-no-red-pixelsso-why-do-the-strawberries-still-look-red
話題になっているのは以下のツイートに添付された写真。画像を投稿したのはカリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者であるマシュー・リーバーマンさん。ツイートでは「この写真は赤色ピクセルを使用していません。これは北岡明佳教授による色の恒常性の素晴らしいデモです」と述べています。
リーバーマンさんがツイートで明かしている通り、この画像は立命館大学の北岡教授が作成したもの。北岡教授は自身のTwitterアカウントから同じような写真を投稿しており、リーバーマンさんはこれをよりイチゴが赤っぽく見えるように加工してTwitter上にアップしたものと思われます。
この写真を見た多くのTwitterユーザーは、「本当にイチゴに赤色のピクセルが使用されていないのか?」と画像のピクセルを確認しています。この検証の中で特にわかりやすいのが以下の画像で、イチゴに使用されている色を白色背景の上に置いてみた(画像右端)というもの。こうやって確認すると、イチゴに使用されているのは赤色ではなく灰色であることがよくわかります。
このイチゴの錯視は「色の恒常性」を利用したものです。「色の恒常性」というのは、簡単に言うと照明光の条件が変わっても照明光の色に引きずられることなく、同じ物体は安定して同じ色として知覚される現象のことです。
通常、人間の目が物体を捉えると、その「物体の持つ色」と「それを照らす光の持つ色」という異なる2つの波長が目に飛び込んできます。例えば、青空のもとで赤いリンゴを見ると、リンゴの赤色と青空の青色の波長が目に入ってくるそうです。しかし、白熱灯やLED、屋外などどこで見てもリンゴは赤いように、光源の色は目に入ってくるものの、目で捉えた物体の色を汚染してしまわないように、脳が物体の色に補正をかけてくれるわけです。
つまり、イチゴの錯視の場合、脳が「イチゴを見ている場所の光源に青色成分が入っている」と解釈し、画像を脳内で補正し、実際は赤色ではないイチゴを赤色に見えるようにしてくれているというわけ。National Eye Instituteで働く視覚認識の専門家であるベヴィル・コンウェイさんは、「この錯視は我々が『イチゴは赤色である』と認識していることに大きく助けられている」とコメントしています。
ただし、イチゴの色を認識しているから脳が赤色に変換したのかどうかは曖昧な部分のようで、北岡教授とあるTwitterユーザーの間で以下のようなやりとりが行われていました。
なお、イチゴの他にも色の恒常性を利用した錯視画像を北岡教授は作成しており、以下のページから見られるようになっています。
色の恒常性
ちょうど2年前の2015年に「同じ服なのに人によって異なる色に見えるドレスの写真」が世界中で話題になりました。これは目の錯覚を利用した「錯視」の一種だったのですが、2017年2月末になってドレスとは異なる「赤色を使用していないのにイチゴが赤く見える錯視画像」がSNS上で話題になっています。
This Picture Has No Red Pixels-So Why Do The Strawberries Still Look Red? - Motherboard
話題になっているのは以下のツイートに添付された写真。画像を投稿したのはカリフォルニア大学ロサンゼルス校の神経科学者であるマシュー・リーバーマンさん。ツイートでは「この写真は赤色ピクセルを使用していません。これは北岡明佳教授による色の恒常性の素晴らしいデモです」と述べています。
This picture has NO red pixels. Great demo of color constancy (ht Akiyoshi Kitaoka) pic.twitter.com/pZHvbB6QHE— Matt Lieberman (@social_brains) 2017年2月27日
リーバーマンさんがツイートで明かしている通り、この画像は立命館大学の北岡教授が作成したもの。北岡教授は自身のTwitterアカウントから同じような写真を投稿しており、リーバーマンさんはこれをよりイチゴが赤っぽく見えるように加工してTwitter上にアップしたものと思われます。
2色法によるイチゴの錯視。この画像はすべてシアン色(青緑色)の画素でできているが、イチゴは赤く見える。
Strawberries appear to be reddish, though the pixels are not. pic.twitter.com/Ginyhf61F7— Akiyoshi Kitaoka (@AkiyoshiKitaoka) 2017年2月28日
この写真を見た多くのTwitterユーザーは、「本当にイチゴに赤色のピクセルが使用されていないのか?」と画像のピクセルを確認しています。この検証の中で特にわかりやすいのが以下の画像で、イチゴに使用されている色を白色背景の上に置いてみた(画像右端)というもの。こうやって確認すると、イチゴに使用されているのは赤色ではなく灰色であることがよくわかります。
@social_brains I isolated a few of the colors that appear most "red" in the strawberries and put them on the white background to the right. pic.twitter.com/GJJ9PJqNxt— Carson Mell (@carsonmell) 2017年2月28日
このイチゴの錯視は「色の恒常性」を利用したものです。「色の恒常性」というのは、簡単に言うと照明光の条件が変わっても照明光の色に引きずられることなく、同じ物体は安定して同じ色として知覚される現象のことです。
通常、人間の目が物体を捉えると、その「物体の持つ色」と「それを照らす光の持つ色」という異なる2つの波長が目に飛び込んできます。例えば、青空のもとで赤いリンゴを見ると、リンゴの赤色と青空の青色の波長が目に入ってくるそうです。しかし、白熱灯やLED、屋外などどこで見てもリンゴは赤いように、光源の色は目に入ってくるものの、目で捉えた物体の色を汚染してしまわないように、脳が物体の色に補正をかけてくれるわけです。
つまり、イチゴの錯視の場合、脳が「イチゴを見ている場所の光源に青色成分が入っている」と解釈し、画像を脳内で補正し、実際は赤色ではないイチゴを赤色に見えるようにしてくれているというわけ。National Eye Instituteで働く視覚認識の専門家であるベヴィル・コンウェイさんは、「この錯視は我々が『イチゴは赤色である』と認識していることに大きく助けられている」とコメントしています。
ただし、イチゴの色を認識しているから脳が赤色に変換したのかどうかは曖昧な部分のようで、北岡教授とあるTwitterユーザーの間で以下のようなやりとりが行われていました。
@fathom500 この旗の色が赤く見えるなら、見たことないものでも赤く見えるということかもしれません。 pic.twitter.com/0YumLaYZct— Akiyoshi Kitaoka (@AkiyoshiKitaoka) 2017年2月28日
@AkiyoshiKitaoka 第一印象では灰色にみえます。いちごを見た後ではピンクっぽくみえてきました。不思議ですね。— Chihiro (@fathom500) 2017年2月28日
なお、イチゴの他にも色の恒常性を利用した錯視画像を北岡教授は作成しており、以下のページから見られるようになっています。
色の恒常性