北朝鮮は今月20日、ムスダンと見られる中距離弾道ミサイルの発射実験を行ったが失敗したと見られている。さらに、直後に起きた火災によって発射車両まで燃えたことがわかった。韓国の聯合ニュースが報じた。

韓国政府筋は26日、北朝鮮が20日に平安北道(ピョンアンブクト)亀城(クソン)付近で行ったミサイル発射で、「ミサイルが点火直後に爆発を起こし、発射車両も巻き込まれ、黒焦げになった」と明らかにした。この車両に人員が乗っていたのか、死傷者が発生したのかなどについては確認されていない。

政府情報筋は「ミサイルの弾頭に変化が見られないので、弾頭の重さによる負荷が原因ではないだろう。金正恩党委員長から何度も催促され、実験を急いだことが失敗の原因と見られる」と述べた。

韓国軍と情報当局は、北朝鮮は改良した液体ロケットをムスダンに装着し実験を行っていたが、ロケットの燃料導管の欠陥で爆発を起こしたと分析している。


移動式発射台から打ち上げられた「火星10」弾道ミサイル(コードネーム:ムスダン)/2016年6月23日付労働新聞より


ムスダンとみられる中距離弾道ミサイルの発射実験は、今年4月15日を皮切りに8回行われているが、6月22日の発射実験(上の写真)を除いてはすべて失敗している。