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By Kārlis Dambrāns

小さなコンピューターとも言えるスマートフォンは、一般の人々の生活だけでなく、高度な性能が求められる軍隊の現場でも普及が進んでいます。アメリカ軍の部隊でも作戦を遂行するための機器の一つとしてAndroidスマートフォンが導入されているというのですが、実際には端末のパフォーマンスが低く、作戦に影響を与えかねないとして、iPhone 6sに乗り換える作業を進めていることが報じられています。

Army SOF to Trade in Its Androids for iPhones | DoD Buzz

http://www.dodbuzz.com/2016/07/15/army-sof-to-trade-in-its-androids-for-iphones/



U.S. Army switching from Android to the iPhone 6s due to poor performance | 9to5Mac

http://9to5mac.com/2016/07/18/us-army-switching-from-android-to-iphone-6s/

AndroidからiPhone 6sへの乗り換えを進めていると報じられたのは、アメリカ軍の特殊作戦部隊を統合指揮しているアメリカ特殊作戦軍です。同軍では、専用のアプリケーションをインストールしたAndroid端末「Android Tactical Assault Kit」を兵士に支給して作戦遂行に役立ててきましたが、実際の運営面では大きな問題も発生していた模様です。

部隊で使われているAndroid Tactical Assault Kitは、SamsungのGalaxy Noteがベースになっていると見られています。運用時には、地上部隊が進むルートと、上空の無人航空機(UAS)が撮影した映像を分割画面で同時に表示させ、作戦実行に役立てるように設計されていたのですが、実際には動作がフリーズしてしまい、再起動しても適切にリフレッシュされない状態に陥ることが多かった模様。このため、軍の作戦実行中に貴重な時間を浪費してしまうことがあったため、装備の見直しが検討されるようになったとのこと。



その代替案として浮上した端末が、iPhone 6sというわけです。実際にiPhone 6sを使った運用実験も開始されているようで、軍関係者によるとiPhoneは「動作が速くて、スムーズ。Androidは固まる」とのこと。また、UASから送られてくる映像の再生に関しても、「iPhoneだと動きがシームレスで、グラフィックも美しい。信じられないほどだ」と語っていると報じられています。

この件を報じている9to5Macによると、ポイントとなるのはGalaxy Noteがどの世代のモデルかという点。2010年に登場した初期のモデルであれば、処理速度が劣るのも当然のことと言えますが、ここ数年で登場したモデルということになると、その性能差は実に興味深いものになると言えそうです。