マーリンズ・イチロー【写真:田口有史】

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今季3度目マルチでメジャー通算2945安打、「3000安打への行進が続きます」

 マーリンズイチロー外野手は、29日(日本時間30日)の敵地ブルワーズ戦で史上38人目のメジャー通算500盗塁を達成。適時打を含む今季3度目のマルチ安打でメジャー通算2945安打として歴代単独32位(MLBの公式サイトの通算安打数ランキングによる)に浮上し、3000安打へ残り55本とした。

 マーリンズは6-3で勝利。「1番・右翼」で出場したイチローは、4打数2安打1四球1打点1得点1盗塁の活躍で6連勝に大きく貢献した。金字塔を打ち立て続けるレジェンドについて、敵地ミルウォーキーのメディアは「有資格1年目で殿堂入り」「この世代で最も優秀な打者」と絶賛している。

 イチローはいきなり初回に魅せた。「42歳のイチローが1番打者です」。敵地でテレビ中継を行っている「FOXスポーツ・ウィスコンシン」の実況がこう紹介する中、打席に入ると、相手先発右腕デービーズの2球目の速球をライト前へ運んだ。通算2944安打に伸ばし、試合前の時点で並んでいたフランク・ロビンソンを抜いて歴代単独32位に浮上。華麗な一打に、敵地中継の実況はテンションを上げた。

「イ、チ、ローがライト前ヒットで試合の幕を開けます。彼は3000本安打までの行進が続きます。残り56本です」

 さらに、解説者のブルワーズOB、ビル・シュローダー元捕手はイチローの歩んできた輝かしいキャリアを振り返った。

「メジャー最高の選手の一人」「有資格1年目で殿堂入りを果たす」

「3000本まで残り少なくなりましたが、日本とアメリカでは信じられないことに既に4200本を打っているのです。メジャー最高の選手の一人ですね。42歳にして3000本安打に近づいています」

 噛み締めるようにこう語ったシュローダー氏に同調するように、実況も「アメージングなことです。10度のオールスター出場。昨季は最も乏しいシーズンでしたが、今季はいいスタートを切っています」と伝えた。

 そして、イチローは9回にもレフトへのタイムリーを放ち、今季3度目のマルチ安打をマーク。メジャー通算2945安打とし、日本時代の1278安打を加え、日米通算4223安打とした。

 この打席でも、敵地メディアはイチローの偉大さをひたすら称えた。

イチローの打席です。現在(メジャー)通算2944安打です」と実況が紹介すると、シュローダー氏は「3000本安打に到達しなくても、彼は有資格1年目で殿堂入りを果たします。イチローよりも優秀な打者がこの時代にいましたか?」と語った。

 実況が「いませんね」と答えると、シュローダー氏も「いませんね。私も同感です」と、イチローこそ当代で最高の打者と分析。さらに、「彼は盗塁も出来る。凄まじい外野手で、偉大な強肩を誇っています。何てことでしょう、ヒットも打ちます。しかも、今でも打っているのです」と「走攻守」三拍子揃った名手であることを強調した。

 メジャー16年目の大ベテランとなったイチローだが、敵地メディアもその偉大な実績、そして、健在な実力に最敬礼している。