台湾では2015年、歴史教科書の改訂を巡って大きな議論が生じた。歴史教科書は学生たちの歴史認識を形作るものとなるだけに非常に重要と言えるが、中国メディアの捜狐はこのほど、台湾の歴史教科書が中国の歴史教科書と異なる点について紹介している。(イメージ写真提供:123RF)

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 台湾では2015年、歴史教科書の改訂を巡って大きな議論が生じた。歴史教科書は学生たちの歴史認識を形作るものとなるだけに非常に重要と言えるが、中国メディアの捜狐はこのほど、台湾の歴史教科書が中国の歴史教科書と異なる点について紹介している。

 記事はまず台湾の歴史教科書の年表に言及している。1895年から台湾の日本統治時代が始まったが、年表の表記方法は日本の年号「明治」を上に、清朝の年号「光緒」を下にしていると指摘。つまり、台湾の歴史教科書には日本寄りの考え方が存在すると主張している。

 さらに日本による台湾統治50年の歴史について「どれだけ辛い目にあわされたか」といった記述はなく、むしろ良い点についても悪い点についても客観的に事実を述べていると指摘。そうした記述には台湾人に対する日本人の差別待遇、台湾人の子どもに対する義務教育の実施、台湾人に制限付きの選挙権を与えたことなどがある。差別待遇は悪い点だが義務教育の実施は良い点であり、これらは客観的な視点で記述されているという。

 また記事は台湾の歴史教科書に記載されている日本統治50年に対する台湾人の見方を紹介している。日本統治は台湾から良くない習慣や風習を取り除いただけでなく、戦後台湾の経済発展のための基礎を与えた一方で、台湾人に対する差別待遇は台湾人の精神に苦悶を与えており、台湾人に日本に対する愛憎入り混じった感情を生じさせたという見方だ。中国の歴史認識において日本への憎しみはあっても愛は存在しないと言える。この点も中国と異なる点だ。

 さらに台湾の歴史教科書に記載されているある質問を紹介、それは50年に及ぶ日本統治は台湾にどんなプラスまたはマイナスの影響を及ぼしたかという質問だ。マイナスだけでなくプラス面もあるということを学生に銘記させる質問となっている。

 また1915年当時、日本政府が中国の袁世凱政府に要求した二十一カ条(全5号)についても中国と台湾の歴史教科書では捉え方に大きな差があると記事は指摘している。台湾の教科書には、袁世凱が1号から4号の要求を受け入れたものの、中国側に具体的または即刻被害が生じるものではなかったと記載されている。こうした表現には明らかに日本への憎しみや敵意を感じない。

 同じ出来事に対しても、日中さらには中台で見方が大きく異なるのは興味深い。憎しみは憎しみを生み、復讐は復讐を生じさせる。どこかで負の連鎖を断ち切らなければならないのは明白だ。従って教科書は学生たちに歴史を真の教訓とする方法を学ばせる道具として存在すべきといえるのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)