今度のバイオフォンはどう?安曇野FINISHでアルミ削り出しボディーがすごいWindows 10 Mobileスマホ「VAIO Phone Biz」を実際に使ってみた【レビュー】

真・VAIO Phoneこと「VAIO Phone Biz」をチェック!

いよいよバイオから新しいスマートフォン(スマホ)「VAIO Phone Biz(型番:VPB0511S)」が発表され、4月に5万円台で発売される予定です。なにかと話題(?)になった前機種に続く、VAIOブランドで第2作ということで正直、良くも悪くも注目されています。

今回発表されたVAIO Phpne Bizは、新たにOSとしてマイクロソフトの「Windows 10 Mobile」を採用し、VAIOブランドのパソコン(PC)との連携も良い「いつでもどこでもビジネスの“快”を得られる環境を追求するスマホ」として開発されたということです。

具体的に言うと、VAIO PCが「座って仕事をする上の"快"」だとすると、VAIO Phone Bizは「立った状態の仕事の"快"」がコンセプトとなっています。これらの開発思想についてはすでに紹介している発表会のレポートもご参照ください。

今回、そんなVAIO Phone Bizの開発中の試作機を早くもバイオからお借りすることができました。なお、試作機ということで、実際に販売される製品とはソフトウェア的(主にOS)に未完成な状態ということですが、そこを考慮した上で、さっそくレビューをさせていただこうと思います。

○安曇野FINISHのクオリティー
VAIO Phone Bizは、VAIO PCと同じく、日本での最終工程「安曇野FINISH」と呼ばれる厳しいチェックで高品位のクオリティーが保たれています。VAIOファンの中では、かなり有名なこの安曇野FINISHですが、こだわりはこれだけではありません。ボディーはアルミニウムを削り出し、VAIOロゴはレザーエッチング、仕上げにブラスト加工を設し、高品位と高剛性を両立させたデザインもVAIOらしい仕事です。


発表会で説明されたボディの製造工程

実際に実機を触ってみると、とにかく質感が高く、ブラスト加工のサラサラとした手触りが好印象です。タイミング的に同じWindows 10 Mobileスマホ「NuAns NEO」と比較されがちですが、「生活の中のデザイン」という感じのNuAns NEOに対し、VAIO Phone Bizは「道具としての美しさ」を追求したカタチなのではないでしょうか。


アルミ合金とブラスト加工で仕上げた高品位のボディー



VAIOのロゴはレーザーエッチングで刻印されている


○Snapdragon 617採用で「Continuum」にも対応
操作してみると、筆者が所有する少しスペックの劣るWindows 10 Mobileスマホ「FREETEL KATANA 02」と比べると、その快適なパフォーマンスに驚きを隠せませんでした。それもそのはず、CPUはContinuum対応(ディスプレイ出力は無線のみ)のQualcomm製オクタコアプロセッサー「Snapdragon 617(MSM8952)」を採用。内蔵メモリー(RAM)は3GBを搭載しており、サクサクとした動作を実現しています。

また、SIMフリースマホとして、国内の携帯電話会社の多くの周波数帯をほぼ網羅しており、対応LTEバンドがBand 1、3、8、19、21です。さらに、NTTドコモの国内のWindows 10 Mobileでは初のキャリアアグリケーション(CA)にも対応し、鎖最大225Mbpsで利用できます。なお、VoLTEには対応していないとのこと。

機種VAIO Phone BizNuAns NEOMADOSMA Q501AFREETEL KATANA 02
メーカーバイオトリニティマウスプラスワン・マーケティング
大きさ156.1×77×8.3mm141×74.2×11.3mm142.8×70.4×8.4mm141×72×8.9mm
重さ167g150g125g159g
画面5.5型フルHD5型HD5型HD5型HD
CPUSnapdragon 617
(1.5GHz 8コア)
Snapdragon 617
(1.5GHz 8コア)
Snapdragon 410
(1.2GHz 4コア)
Snapdragon 210
(1.1GHz 4コア)
RAM3GB2GB1GB2GB
ストレージ16GB16GB8GB16GB
microSDXC(最大64GB)XC(最大128GB)XC(最大64GB)HC(最大32GB)
リアカメラ1300万画素1300万画素800万画素800万画素
フロントカメラ500万画素500万画素200万画素200万画素
電池容量2800mAh3350mAh2300mAh2600mAh
Continuum××
NFC×××


○5.5インチのフルHD液晶
ビジネスシーンでの利用を想定しているVAIO Phone Bizは、Officeアプリの使用に最適なサイズとして5.5インチのフルHD(1080×1920ドット)液晶を採用しています。実際に操作してみると、いろんな面で大画面の恩恵を感じることができます。

例えば、5インチのKATANA 02と比べるとFacebookやTwitterなどのSNSも明らかに見やすく、YouTubeなどの動画も視聴しやすいのは言うまでもありません。「ファブレット(画面の大きなスマホ)は文字入力がしにくい」といって敬遠されがちなサイズでもありますが、昨今の大画面化したハイスペック機種を持つユーザーには、違和感はあまり感じられず、むしろ慣れ親しんだサイズと言えるかもしれません。


画面はフルHDの5.5インチサイズ


○SIMの抜き差しはトレー式、スピーカーは小さい
VAIO Phone BizのSIMカードのセットは、トレーにセットして左側面に差し込む形になります。Nexus 5などと同様にピンを差し込んでトレーをイジェクトする方式です。

SIMカードは2枚をセットすることができますが、トレーの2枚目側はnanoSIMカード(4FF)とmicroSDカードのどちらかを選択してセットするようになってます。

なお、もう1スロットはmicroSIMカード(3FF)サイズで、2枚のSIMカードの両方をセットしてもLTEを同時に利用することはできません(3G・LTEは1スロットのみ)。


SIMスロットはピンを使ってイジェクトするトレー式

また、「ビジネスに特化したモデル」とメーカーが公言するだけあって、スピーカーは背面に小さく設けられています。仕方がないのですが、大音量での再生時には少々音割れが気になりました。音量調整は本体右側面のボリュームキーで行い、その下に電源ボタンが配置されています。


スピーカーは背面に設けられている



電源ボタンと音量ボタンは右側面にかためて配置されている


○やはり、Windows 10 Mobileスマホは610系以上のCPUが良い?
操作性やOSについては、メーカーより「チューニング途中の試作機なんで評価はご遠慮ください」とのことなので、今回はあえて避けますが、それを考慮して使っても、やはりCPUのSnapdragon 617を採用した恩恵は大きいといえます。

CPUにSnapdragon 210やSnapdragon 410を搭載した機種と比べ、Snapdragon 617はContinuumに対応していることもさることながら、操作性のレスポンスも良く、ストレスを感じることもありませんでした。

変な例えですが「Androidのハイスペック機を触っているような感覚」という感じでしょうか。少し言い過ぎなのかもしれませんが、完成されれば違和感のない動作が実現できるのは間違いないでしょう。


Windows 10 Mobileスマホの中では人気機種になるのは間違いない

注目のContinuumに関しては、Snapdragon 617を採用していることから、無線での利用が可能です。こちらも試してみましたが、試作機ということもあって、少々不安定な面を見せました(2本指スクロールなどができなかった)。ですが、発売までには調整を終え、改善されると思います。

しっかりContinuumに対応。もちろん技適マークも。
ということで、最終調整途中の試作機ということで、完璧な製品レビューは出来ませんでしたが、クオリティー的には非常に高い製品というのが、VAIO Phone Bizへの私の評価です。

発売時期は4月中ということで登場が待ち遠しく、価格も5万円台(後半ではないかと言われている)と意外にお買い得なプライス設定です。発売されれば、NuAns NEOと人気を二分する国内メーカー製Windows 10 Mobileスマホとなることは間違いありません。

早く完璧に調整が済まされた、完璧な製品版のVAIO Phone Bizを手に入れたい。そういう気にさせてくれた試作機でした。なお、発表会においてタッチ&トライした模様は写真だけでなく、動画でも紹介しているのでこちらも合わせてご覧いただけると幸いです。



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