アニメ業界を青ざめさせた死活問題! 生産終了する「硬質色鉛筆」ってなに?
一般の人には、「ふーん」ですむニュースでも、業界では死活問題となることもある。
それが、三菱鉛筆が発表した「赤」以外の硬質色鉛筆の生産終了だ。
死活問題となっているのは、日本の大きな産業、アニメ業界だ。
この事態に、とうとう日本アニメーター・演出協会も乗り出す大騒ぎになった。
結果、三菱鉛筆株式会社と協議を重ねて、当面の間は「赤」以外の「水・黄緑・橙」についても継続販売されることになった。
●そもそも“硬質”色鉛筆って何?
硬質色鉛筆、と言われても、すぐには何のことだかわからない、ピンとこない人は多いだろう。
鉛筆にはHB、B、2Bなど、芯の硬さによって種類がある。
実は、色鉛筆にも「硬質、中軟質、軟質」と、硬度の種類があるのだ。
たいていの人は、知らないだろう。
実は、通常、私たちが色を塗るのに使用しているのは中軟質。
なので、今回の硬質色鉛筆の終了は、一般の私たちには、あまり影響がない。
では、硬質色鉛筆は、どのような人、どのようなシーンで使われているのだろうか?
そして、なぜ、生産終了になったのだろうか。
● “硬質”色鉛筆の使い先と生産終了に至るまで
硬質の色鉛筆は、硬くて芯径も細いため、主にグラフや図面への書き込みに利用されている。製図など、プロ用といったところだ。
しかし最近では、製図の世界もデジタル化で、手描きが減ってきている。
もともと硬質色鉛筆は、需要もそれほど多くはなかったが、時代の流れでさらに需要が減った。
そして三菱鉛筆は、硬質色鉛筆7700番の「赤」以外の生産を年内で終了することに決定したというわけだ。
●アニメ業界では必須? 硬質色鉛筆の使い道
さて、一般的にはあまり使われていない硬質色鉛筆だが、生産終了は、「日本の商業アニメーション業界にとって非常に大きな問題」なのだそうだ。
実はアニメ業界では、硬質色鉛筆の愛用家も多く、動画注意事項などで、この色鉛筆の使用が規定されている制作現場も多いとのこと。
今やアニメもデジタル化されているとは言え、元になる「原画」は手描きだ。
そこでは、くっきりとしたきれいな線を描くことができる硬質色鉛筆が使われているのだ。
●他のものでは代用できないの?
長年慣れ親しんできた道具を変えるのはなかなか難しいものがある。
職人の世界ではよくあることだが、アニメーターにとっても同じようなものなのだろう。
とはいえ、なくなるものはしかたない。
ほかのメーカーの硬質色鉛筆を使えばいいじゃないか? と、思うかもしれない
しかし、そう簡単に他のもので代用するというわけにもいかないのだ。
たとえば、トンボ鉛筆も硬質色鉛筆は赤しか販売していないのだ。
●業界団体も乗り出す騒ぎに
このようなことから、とうとう業界団体である日本アニメーター・演出協会が乗り出したというわけだ。
実際に
・どのような点で困るのか
・なくなった場合、代用品としてはどんなものを考えているか
など、アンケートを集め、それをもとに三菱鉛筆と交渉に臨んだそうだ。
結果、12月1日、三菱鉛筆は、「赤」だけでなく、「水・黄緑・橙」の販売も当面継続することを決定し、発表した。
とりあえずは一安心という所だが、まだ市場は混乱しているという。
硬質色鉛筆は、在庫が少なく、新規の注文が受けられないような状態になっているのだ。生産終了の報道を受けて、あちこちに重複して注文を出している人もいるためらしい。
日本アニメーター・演出協会では、発注は1店舗にとりまとめること、不足している場合は、可能な限りお互いに融通してほしいことを事業者に依頼している。
さて今後だが、在庫状況が落ち着いたとしても、もともと硬質色鉛筆の需要が少ないことには変わりない。三菱鉛筆にしても、いつまで生産が継続できるかは不透明だ。
そして完全に硬質色鉛筆の生産が終了した場合、アニメ制作に影響が出る可能性が心配になるところだ。
それが、三菱鉛筆が発表した「赤」以外の硬質色鉛筆の生産終了だ。
死活問題となっているのは、日本の大きな産業、アニメ業界だ。
この事態に、とうとう日本アニメーター・演出協会も乗り出す大騒ぎになった。
結果、三菱鉛筆株式会社と協議を重ねて、当面の間は「赤」以外の「水・黄緑・橙」についても継続販売されることになった。
●そもそも“硬質”色鉛筆って何?
硬質色鉛筆、と言われても、すぐには何のことだかわからない、ピンとこない人は多いだろう。
鉛筆にはHB、B、2Bなど、芯の硬さによって種類がある。
実は、色鉛筆にも「硬質、中軟質、軟質」と、硬度の種類があるのだ。
たいていの人は、知らないだろう。
実は、通常、私たちが色を塗るのに使用しているのは中軟質。
なので、今回の硬質色鉛筆の終了は、一般の私たちには、あまり影響がない。
では、硬質色鉛筆は、どのような人、どのようなシーンで使われているのだろうか?
そして、なぜ、生産終了になったのだろうか。
● “硬質”色鉛筆の使い先と生産終了に至るまで
硬質の色鉛筆は、硬くて芯径も細いため、主にグラフや図面への書き込みに利用されている。製図など、プロ用といったところだ。
しかし最近では、製図の世界もデジタル化で、手描きが減ってきている。
もともと硬質色鉛筆は、需要もそれほど多くはなかったが、時代の流れでさらに需要が減った。
そして三菱鉛筆は、硬質色鉛筆7700番の「赤」以外の生産を年内で終了することに決定したというわけだ。
●アニメ業界では必須? 硬質色鉛筆の使い道
さて、一般的にはあまり使われていない硬質色鉛筆だが、生産終了は、「日本の商業アニメーション業界にとって非常に大きな問題」なのだそうだ。
実はアニメ業界では、硬質色鉛筆の愛用家も多く、動画注意事項などで、この色鉛筆の使用が規定されている制作現場も多いとのこと。
今やアニメもデジタル化されているとは言え、元になる「原画」は手描きだ。
そこでは、くっきりとしたきれいな線を描くことができる硬質色鉛筆が使われているのだ。
●他のものでは代用できないの?
長年慣れ親しんできた道具を変えるのはなかなか難しいものがある。
職人の世界ではよくあることだが、アニメーターにとっても同じようなものなのだろう。
とはいえ、なくなるものはしかたない。
ほかのメーカーの硬質色鉛筆を使えばいいじゃないか? と、思うかもしれない
しかし、そう簡単に他のもので代用するというわけにもいかないのだ。
たとえば、トンボ鉛筆も硬質色鉛筆は赤しか販売していないのだ。
●業界団体も乗り出す騒ぎに
このようなことから、とうとう業界団体である日本アニメーター・演出協会が乗り出したというわけだ。
実際に
・どのような点で困るのか
・なくなった場合、代用品としてはどんなものを考えているか
など、アンケートを集め、それをもとに三菱鉛筆と交渉に臨んだそうだ。
結果、12月1日、三菱鉛筆は、「赤」だけでなく、「水・黄緑・橙」の販売も当面継続することを決定し、発表した。
とりあえずは一安心という所だが、まだ市場は混乱しているという。
硬質色鉛筆は、在庫が少なく、新規の注文が受けられないような状態になっているのだ。生産終了の報道を受けて、あちこちに重複して注文を出している人もいるためらしい。
日本アニメーター・演出協会では、発注は1店舗にとりまとめること、不足している場合は、可能な限りお互いに融通してほしいことを事業者に依頼している。
さて今後だが、在庫状況が落ち着いたとしても、もともと硬質色鉛筆の需要が少ないことには変わりない。三菱鉛筆にしても、いつまで生産が継続できるかは不透明だ。
そして完全に硬質色鉛筆の生産が終了した場合、アニメ制作に影響が出る可能性が心配になるところだ。