今でこそ「格差社会」という言葉が普通に使われて、「強者」と「弱者」、「勝者」と「敗者」がいることが周知されているが、20年ほど前まではマスメディアがこの言葉を使うことはほとんどなかった。当時はまだ「一億総中流」という言葉が説得力を持っていた時代。もちろん格差がなかったわけではなく、今の状況を生み出す兆候は表れていたが、そこに目を向ける人は極めて少なかったのだ。■20年前から格差社会到来を予見していた作