役人よ、原点に帰れ!山本太郎が国会質疑に思うこと
皆さんは、どんな時に緊張しますか?
人前で話す時?
好きな人が目の前にいるとき?
「撮影される側にいたんだから、緊張なんてしないでしょ?」
とよく言われるけど、僕はどんな時も緊張します。
程よい緊張感ではなく、吐きそうになる緊張。
映画でもTVでもラジオでも舞台でも、全部。
原因は、良い演技をしたい、自分に自信が無い、
人がイッパイいる(笑)など理由は様々。
その緊張が、余りにも表情に出るようになったら、
廃業だ、と芸能界に入った16 歳の頃から考えてた。
それでも20年以上続けてこれた。
そのエネルギーを、
転化させる事を学んだのが、20年の芸能生活。
緊張から生み出されるエネルギーが良い方向に向く事もある。
緊張のせいで抑制の効いた演技に繋がったり、
とんでもないパワーを爆発させたり。
驚異的な集中力を生み出したり……
始まる前の緊張はMAX、テンパる寸前。
この緊張から逃れられるなら飛び降りたい、
とまで考えた過去もあるくらいだった。
役者の現場を離れ、現在、違う職種につき、どう変わったか。
今も変わらず、緊張してる。
演説してる時も、委員会で質問している時も。
もう一度撮り直しが出来ない、って部分では舞台に近いかも。
何故、今回この様な話をするのか。
委員会で、ド緊張した時の話をしたい。
しかも緊張を良い方向に転化できなかった、バージョンで。
4月6日の復興・原子力問題特別委員会での話。
この特別委員会が行われる委員会室は、参議院第一委員会室。
予算委員会などが開かれる場所でもあり、議員になる事を夢見ている人にとっては、
憧れの舞台だそうだ。
役者にとっての、帝国劇場?ブロードウェイ?
舞台経験の少ない僕にとって、ぴったりといい当てる事が出来ないのが残念だが、そう言う事らしい。
そんな永田町への憧れ話はどうでもいいはずの僕が、
しつこくそう言われると、気になる。
なんだか緊張してくる。
で、4月6日の復興・原子力問題特別委員会、
最後の質疑者は山本太郎。
始まった瞬間に、
カメラのたくさんのシャッター音が鳴り響いた。
このシャッター音の原因を推察するなら、二通り。
?近々、ネガティブキャンペーンを展開する前段階で写真を撮りに来ている。
?議員の憧れ、第一委員会室での初質疑を、記録として撮影しに来ている。
普段、マスコミにスルーされている自分に、
このシャッター音は多すぎると、第一問目を質問しながら、
色んな事を勘ぐって、緊張の針が振り切れそうに。
そこでヤラカした。
大切なキーワードを言い漏らした。
キーワードは「億」
東電原発の敷地内から漏れ出す汚染された水が、
海洋にだだ漏れにされている件で、平成26年4月1日から、
平成27年3月31日までで、
セシウム137で3900「億」ベクレル。
ストロンチウム90で9600「億」ベクレル。
海洋に放出されていた、と言う東電発表の内容を、
伝える場面で、「億」を言ってなかった!
それに気づいたのは事務所に戻ってから。
自分では気づいてなかった。
それ以外は、逆に集中して平常運転には持っていけた。
その様子、10分の動画でどうぞ。
国会質疑を舐めきった、役所の答弁、10分バージョンご覧頂けましたか?
答弁する役人側は、質問に対して答える気はないし、
通告してても、答えを用意しない(今回はかなり意図的)
彼らも、立場や組織を守るのに、自分の人生をかけている。
答弁に立たされた人を非難する事で終わる問題じゃない。
自己防衛、組織防衛の為に、精一杯頑張らなきゃ生きて行けない社会構造を変えなければ、って思わされた。
国会議員や役人を含む公務員が何よりも守らなければ行けないのは、
この国に生きる人々なはず。
その仕事に就いた原点を見つめ、
もう一度、初心に立ち戻って戴きたい。
そして山本太郎!
東電の汚染水、だだ漏れを批判する前に、
自分の、「億」と言うキーワードを言い漏らした事に、
反省せよ!と猛省したでも夜でありました。著者プロフィール
参議院議員
山本太郎
1974年、兵庫県宝塚市生まれ。1990年高校1年生時に『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の「ダンス甲子園」に出場し、芸能界入り。1991年、映画『代打教師 秋葉、真剣です!』で俳優デビュー。『光の雨』、『GO』で2001年度日本映画批評家大賞助演男優賞を、『MOONCHILD』、『ゲロッパ』、『精霊流し』で2003年度ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。2011年3月11日に発生した東日本大震災の後、4月より反原発活動を開始。2013年7月、参議院議員選挙に東京選挙区より出馬、666,684票(11.8%)を得て当選。内閣委員会に所属。現在、原発問題、被曝問題、子どもと放射能、TPP問題、労働問題、社会保障制度改革、表現の自由に関わる問題等に特に深く関わり活動中。
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